熊本県天草市での薬用植物栽培が新たな展開を迎える

新たな一歩を踏み出す天草市の薬用植物栽培

熊本県天草市と公益財団法人東京生薬協会、そして国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が協力し、地域の農地を活用した薬用植物の実用栽培に向けた新たな取り組みが始まります。このプロジェクトは、薬用植物の栽培を通じて地域の農業を活性化させることを目的としており、2025年7月28日に調印式が行われる予定です。

調印式の詳細

調印式は、天草市役所の庁議室で実施され、以下のような内容が予定されています。

- 日時: 令和7年7月28日（月）16:00～16:45（受付は15:30から）
- 出席者: 熊本県天草市市長の馬場昭治氏、東京生薬協会会長の藤井隆太氏、医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センターの吉松嘉代センター長。
- 当日の次第: 出席者の紹介、協定書の署名、各機関代表からの挨拶、写真撮影、質疑応答など。

課題と背景

日本の医薬品原料の約90%が輸入に依存しており、その大半は中国からの輸入です。近年、輸入国のリスクや価格の高騰、品質のばらつきなどの問題が顕在化しています。また、国内農業の衰退を受け、薬用植物の栽培が米やタバコに代わる代替作物として注目されています。平成25年度から国の補助金事業も始まり、全国の自治体で関心が高まっています。

このような背景から、医薬品の安全性と安定供給を確保するためにも、国内で薬用植物の栽培を促進することが重要となっています。

薬用植物栽培の取り組み

東京生薬協会は、薬用植物の栽培支援に関する豊富な知識と経験を持ち、平成25年度から本格的に国内栽培の支援を強化しています。現在、全国で多くの自治体からの協力要請が相次いでおり、目が離せない状況です。

一方、医薬基盤・健康・栄養研究所の薬用植物資源研究センターは、薬用植物の収集、保存、栽培、育種技術の開発と評価に力を入れています。種苗の供給や栽培技術の指導も行っており、薬用植物の国内栽培に関する情報を広く公開しています。

天草市の特性と未来

天草市は美しい海に囲まれた地域で、温暖な気候に恵まれています。その自然の恵みを生かし、農業が盛んな地域です。地域の特性を活用して薬用植物栽培が進められることで、農業の活性化はもちろん、地域経済の発展も期待されています。

医薬基盤・健康・栄養研究所とは

医薬基盤・健康・栄養研究所は、2015年に医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所が統合し誕生しました。この研究所は、さまざまな研究分野にわたり、科学技術の発展と国民経済の健全な成長に寄与することを目指しています。ウェブサイトには最新の情報が掲載されています。

このように、天草市での薬用植物栽培の実用化は、地域にとって新たな可能性を開く重要な一歩です。今後の展開が非常に楽しみです。