サーバーワークスがヤオコーを支援し、AWS内製化を実現
株式会社サーバーワークスは、AWS(アマゾン ウェブ サービス)のプレミアティアサービスパートナーとして、埼玉県を中心に展開している食品スーパーマーケットチェーン「株式会社ヤオコー」のAWS内製化を支援しています。この支援は、自社の伴走型支援サービス「クラウドシェルパ」を通じて行われました。
ヤオコーの挑戦とサーバーワークスの役割
ヤオコーは現在、195店舗を展開し、食品スーパーマーケットとしての成長を続けていますが、AWSを利用する中でさまざまな課題に直面していました。複数のベンダーによる個別のシステム構築が「サイロ化」を引き起こし、結果として全社横断のガバナンス維持やコスト管理への影響を及ぼしていたのです。この状況を打破するため、ヤオコーは「自社でハンドリング可能なAWS環境」を構築し、その後の内製化を進める決定を下しました。
サーバーワークスはヤオコーのカルチャーを深く理解し、AWSの専門知識を生かして伴走するパートナーとして選ばれました。この提携により、ヤオコーは新たにAWS環境を構築し、必要なガバナンス強化とコスト効率化を実現しました。
クラウドシェルパの提供内容
「クラウドシェルパ」は、ヤオコーが自律的にクラウドを運用できる環境を整え、内製化を進めるための支援を提供するサービスです。具体的な施策として、以下の三つの重点テーマに沿った支援が行われました:
1. アカウント統制の強化
AWS Control TowerおよびAWS Organizationsを使用して、統合管理基盤を構築しました。IAM Identity Centerによる認証の統制と、AWS Security Hubによるセキュリティ監視を導入し、安全な環境を整えました。
2. オブザーバビリティの向上
システム全体の稼働状況を統合的に把握するために、「New Relic」を新たな運用基盤として導入しました。これにより、サービス間の通信を含む全体の可視化が可能になり、障害時の原因調査が迅速に行えるようになりました。
3. 運用の自動化
手動運用から脱却するため、Terraformを使った環境構築を進め、CI/CD環境を整備しました。これにより、運用効率が大幅に向上しました。
これらの取り組みによって、ヤオコーは自社でAmazon Connectを利用したコールセンターシステムの構築や改善が実現。AWSリソースの有効活用により、運用コストの継続的な削減も達成しました。
各社のコメント
ヤオコーの執行役員である小笠原暁史氏は、ベンダー統合による合理化が進みつつある中でも、依然として多くの運用課題が残っていると述べ、サーバーワークスのさらなる支援を期待しているとコメントしました。一方、サーバーワークスの羽柴孝氏は、ヤオコーとの連携を喜び、今後も継続的に価値を提供する意志を表明しました。
今後の展望
サーバーワークスは、引き続きヤオコーへの伴走支援を行い、システムのさらなる内製化と運用の向上に貢献する所存です。生成AIなど最新技術を取り入れた施策を提案し、ヤオコーのビジネス価値の向上を図ります。
株式会社ヤオコーについて
1890年に創業し、埼玉県を中心に195店舗(2025年3月末時点)の食品スーパーマーケットを展開する大手企業で、約3万人の従業員が活躍しています。それに伴い、豊かな食生活を提案するための商品開発やサービス向上に尽力しており、信頼されるブランドを確立しています。近年ではオリジナル商品にも力を入れ、競争力を強化中です。
株式会社サーバーワークスについて
サーバーワークスは2008年に設立され、AWSを専門とするクラウドインテグレーターで、1,480社以上にAWSサービスを提供しています。AWSにおけるパートナーシップを活かし、クラウド導入や運用を支援し続けています。