ZEN数学センターが発表した新プロジェクト「LANA」
2026年3月31日、ZEN数学センター(ZMC)は新プロジェクト「LANA」の始動を発表しました。この国際共同研究は、日本のZEN大学の他に、オランダのユトレヒト大学、カナダのアルバータ大学が参加しています。LANAプロジェクトの主な目的は、京都大学の望月新一教授による宇宙際タイヒミュラー理論(IUT理論)の形式化および検証と、遠アーベル幾何学の理論の構築です。
LANAの概要
「LANA」は「Lean for ANAbelian geometry」の略で、数学者たちは、証明支援系のプログラム「Lean」を用いて遠アーベル幾何学の理論を形式化します。特にIUT理論については、理論の複雑さから単なる表現の置き換えを超え、深い専門的知識が求められます。これにより、数学コミュニティ内での議論をさらに明確化し、共有可能な情報を提供することが期待されています。
背景と経緯
LANAプロジェクトの発想には、近年の数学形式化の進展があります。フィールズ賞受賞者ペーター・ショルツェが提案した「Liquid Tensor Experiment」がその一例です。このプロジェクトから得られた経験が、LANAの構想に活かされています。ZMCは現代数学の重要問題に新しいアプローチで挑むことを検討しており、その成果がLANAにつながったのです。
プロジェクトメンバー
LANAには以下のような中心メンバーがいます:
- - 加藤文元(ZEN大学教授・プロジェクトリーダー)
- - ヨハン・コメリン(ユトレヒト大学助教)
- - キラン・ケドラヤ(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)
- - 星裕一郎(京都大学 数理解析研究所准教授)
- - アダム・トパーズ(アルバータ大学准教授)
また、若手研究者も含めた約7名が国際共同体制で活動しています。
現状と未来への展望
LANAプロジェクトは、1年以上にわたり、各国で合宿や集中研究会を実施し、IUT理論に取り組んできました。現段階でチームが理解している点や未解明のポイントが明確化し、今後もさらなる探求が進められる予定です。2026年7月17日には活動の中間報告会が予定されており、そこでの成果が広く公開される可能性があります。
学長とプロジェクトリーダーの意見
ZEN大学の若山正人学長は、オンライン大学の新しい教育モデルを通じて知的財産を豊かにする研究が重要であり、LANAはその一つとして位置づけられると述べています。また、加藤文元教授は、LANAがIUT理論に対する新しい視点を提供し、持続可能な対話を続ける重要性を強調しました。
発表会のアーカイブ
3月31日の発表会はYouTubeやニコニコ生放送でアーカイブされています。関心のある方は是非チェックしてみてください。
【発表会アーカイブ】
YouTube
ニコニコ生放送
結論
最近の数学における進展を受けて、LANAプロジェクトがIUT理論と遠アーベル幾何学の形式化をどのように進めていくのか、今後の展開に注目が集まっています。国際共同研究がもたらす新しい発見に期待が高まります。