2024年度大学における障害学生受け入れ調査結果
2024年度も、一般社団法人全国障害学生支援センターによる大学における障害学生受け入れ調査が行われ、その結果が公開されました。この調査は、障害を持つ受験生や大学で学んでいる学生が必要とする情報を収集し、障害者の自立と社会参加を促進することを目的に1994年に始まりました。これにより、30年間の歴史を持つ重要なデータが蓄積されています。
調査の概要
調査期間は2024年7月から12月までで、対象は全国の大学・大学校計821校です。過去の調査結果を踏まえ、障害学生に関するさまざまな質問が設けられ、各大学が回答しました。今回は381校からの回答があり、回答率は46%でした。これは前回から若干の減少を見せていますが、多くの大学が障害学生の状況に向き合っていることを示しています。
障害学生の在籍状況
調査によると、障害学生が在籍する大学は307校に達し、全体の回答校の約80%を占めており、在籍者数は16,881人に上ります。特に、発達障害や精神障害の学生が多く在籍していることが特徴であり、大学あたりの平均障害学生数も51.7人と増加しています。
受験可否の状況
受験可否については、障害種別ごとの受け入れ状況が異なり、各大学が自主的に判断しています。特に、視覚障害や知的障害に関しては受験可と答えた大学が少なく、引き続き課題があります。精神障害に関しては、受験可否未定とされる理由が複数挙げられており、大学側の準備不足が影響していることが分かります。
受験時条件の現状
肢体障害を持つ学生に関する支援条件を例に挙げると、事前相談が求められるケースが多く見られました。診断書や障害者手帳の提出を求める大学があり、自身で状況を管理する必要がある場合も含まれています。これらは、障害学生が公平に受験できる環境を整えるための重要な要素です。
今後の展望
今回の調査データは、大学案内障害者版Web情報サービスや情報誌『障害を持つ人々の現在』において詳細に報告される予定です。合理的配慮が法制化されたことで、大学界全体での障害学生への支援が増加しており、今後の改善が期待されます。
まとめ
2024年度の調査結果は、障害学生の受け入れ状況において、前進もあれば、依然として残る課題もあることを示しています。各大学が障害学生の必要に応じた支援を行い、受験環境を整えていく必要が求められています。今後も継続した活動や改善が期待されるところです。