概要
今年の夏は国内で厳しい猛暑が続き、多くの地域で異常気象が見られています。特に、7月の平均気温は過去にないほどの高さとなり、それに伴い熱中症による救急搬送者が急増しています。この状況を受けて、私たちの調査チームは、当社が保有するメディカルビッグデータ「REZULT」を元に、熱中症の実態を詳しく解析しました。
調査の背景
日本では2023年の4月から新たに「熱中症特別警戒アラート」が導入され、今年の夏は例年以上に熱中症への警戒が求められています。そのため、熱中症患者の動向をデータから探求する意義はますます重要となっています。今回は、2020年から2023年までのレセプトデータを中心に、熱中症の月別および年代別患者数の推移をまとめました。
月別患者数の推移
調査対象となる2023年5月から10月にかけて、月別の熱中症患者数を観察したところ、特に7月と8月に患者数が急増する傾向が確認されました。昨年と比較し、2ヶ月の患者数は100%を超える増加率を示し、特に8月と9月に目立ちます。この傾向は、気候変動や都市化の影響による気温の上昇が背景にあると考えられています。物理的なデータを通じて、2023年の東京の平均気温は前年よりも上昇しており、7月は1.3℃、8月は1.7℃の上昇が報告されています。
年代別患者数の分析
次に、熱中症の患者を年代別に分類したところ、最も多いのは10代の若者でした。これは、学校生活や野外活動が多いことが要因ではないかと考えられます。若い世代は身体の成長段階にあるため、熱中症のリスクが高まることが予想されます。続いて、患者数が多かった年代は50代であり、この年代ではアクティブに活動する一方で、体力の低下が始まるため、特に注意が必要です。周囲の大人からの支援や適切な休憩・水分補給は、特に若者にとって重要です。
過去の発症との関連
過去に熱中症を経験した方が再度発症するリスクについて分析したところ、2023年の熱中症患者の約12%が以前にも熱中症を発症していたことがわかりました。年代別で見ると、高齢層の患者にその傾向が強く、50代が最も高い割合を示しました。年齢が上がるほど体力の低下や基礎疾患の増加がリスクを高めるため、注意が必要です。
結論
私たちの調査によると、猛暑が続く中で熱中症の患者数は増加の一途をたどっており、特に若年層と50代におけるリスクが高いことが明らかになりました。しかし、年代や体質に関わらず、適切な対策を取らなければ、誰でも熱中症にかかる可能性があります。水分補給を怠らず、異変を感じた際には涼しい場所に移動することが、熱中症予防には欠かせません。私たちの今後の活動として、メディカルビッグデータを駆使し、より多くの人々が健康に過ごせるよう引き続き努力して参ります。
レポートの全文は、未来共創Labのウェブサイトでご覧いただけます。私たちはSDGsを意識し、健康増進のための研究や商材開発を進めていきます。
参考リンク