安川電機、創立100周年に挑戦する『YASKAWA BUSHIDO PROJECT』
このたび、安川電機は創立100周年を迎え、これを記念して『YASKAWA BUSHIDO PROJECT』を立ち上げました。このプロジェクトは、長年受け継がれてきた安川電機のものづくり精神を世界に発信しようという試みです。特に注目すべきは、居合術の名手である町井氏とのコラボレーションによって実現した、産業用ロボット「MOTOMAN-MH24」による剣技の再現です。
剣技の再現
プロジェクトでは、居合術の基本の一つである「四方斬り」から始まり、さまざまな斬り技をロボットが再現します。特に、「袈裟斬り」や「斬り上げ」、「水平斬り」といった技が繰り出され、最終的には人間とロボットのコラボによる「千本斬り」という世界初の挑戦が行われます。この挑戦の中で、町井氏の剣技に敬意を表しつつ、MOTOMAN-MH24も見事なパフォーマンスを披露します。
このプロジェクトの様子はドキュメンタリータッチの映画としてまとめられ、2023年6月5日より公開されました。この映像では、日本の伝統技術と最先端技術の融合を見て取ることができ、武士道が大切にする礼節や相手を思いやる精神も表現されています。
技術の挑戦
町井氏は自身の剣技をロボットに伝えるために多くの苦労を重ねたと語ります。ロボットが人間の動きを正確に再現するためには、詳細な動作データの取得と、そのデータをもとにしたプログラミングが必要でした。しかし、その過程では斬った竹や藁がなかなか斬れず、数本の刀が駄目になってしまうこともありました。そのたびに町井氏は刀鍛冶に修理を依頼するという辛い経験を重ねていきました。
それでも、撮影が進むにつれて、町井氏の剣技とロボットの動きは次第に調和していき、最後の「千本斬り」に挑戦する時には、まさに共闘とも言える素晴らしいパフォーマンスを見せました。
撮影の裏側
撮影は2023年3月、元体育館だった神奈川県の某スタジオで行われました。安全を第一に考え、事前にお祓いも行われ、カメラマンは甲冑を身に着けるなどして万全の体制で臨みました。撮影現場では、緊迫した雰囲気の中でもスタッフの協力によって各技はスムーズに進行していきましたが、「千本斬り」の瞬間は、共に力を振り絞って達成された特別な瞬間でした。
また、ロボットが使用した刀は町井氏がセレクトしたもので、江戸時代に作られた名刀です。最新技術と歴史ある刀とのコラボレーションは、技術の進化を実感させるための一つの証とも言えるでしょう。
次世代へのメッセージ
このプロジェクトは、安川電機が未来に向けたメッセージを託したものであり、ものづくりに対する誇りと情熱をもって世界に発信しています。人間とロボットが互いに技を磨き合い、尊敬し合う姿勢は、ものづくりにおける真の価値観にも通じるものです。
『YASKAWA BUSHIDO PROJECT』は、今後も多くの人々に感動と共感を与えることでしょう。ぜひ、この壮大なチャレンジをご覧ください。映画は
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