パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」は、2025年3月の転職求人倍率を最新のデータとして発表しました。この情報は、現在の中途採用市場における需給バランスを示しており、2025年3月の求人倍率は2.51倍で、前月比で0.05ポイントの上昇を見せました。これは、転職活動を希望する求職者に対して、求人数がどの程度あるのかを示す重要な指標です。
まず、求人数の動向を見てみると、2025年3月は前月比で101.3%、前年同月比では101.8%と増加傾向にありました。この期間における転職希望者数は、前月比で99.3%、前年同月比で112.6%となっていますが、転職活動を始める人が多かった前月からはやや減少していることが分かります。
具体的に見ていくと、業種別では「コンサルティング」が特に大きな増加率を示し、124.9%に達しました。この業種では、IT戦略コンサルタントやデータアナリストといった専門職の求人が増大していることが影響しています。デジタルトランスフォーメーションや高度な専門性を求める企業のニーズが高まっているため、今後もコンサルティング業界の成長は続くと見込まれます。
また、職種別に注目すると、「エンジニア(IT・通信)」が104.4%の増加を示し、次いで「企画・管理」が102.0%となりました。これらの結果は、業界全体での採用意欲が高まっていることを示しています。
dodaの編集長、桜井貴史氏は、2025年3月の求人数が増加している一方で転職希望者が減少したため、結果として転職求人倍率が上昇したと説明しています。この傾向により、転職を考える求職者にとっては、良い求人が見つかるチャンスが増えていることを示唆しています。
4月以降の見通しについては、企業の採用意欲が高く、新たなポジションの求人が引き続き行われると予測されます。また、環境の変化や新社会人の登録増加に伴い、転職希望者数も増えることが予想されています。しかし、求人数の増加率よりも転職希望者数の増加率が上回ることが予想されており、これにより転職求人倍率は下降する可能性があります。
桜井氏は、今後の転職市場においても、特に専門性の高い仕事に対する求人ニーズが持続すると予測しています。これから転職を考える方々は、自身のスキルや経験をしっかりとアピールし、競争の激しい市場での成功を目指すことが求められます。
解説者プロフィール
桜井 貴史(さくらい たかふみ)氏は、新卒で大手人材会社に入社し、キャリア教育や採用支援に従事しています。そして、2016年にパーソルキャリア株式会社に中途入社後、doda副編集長を経て2024年4月に編集長に就任しました。Z世代の就職・転職動向に精通し、社会保険労務士としても労働市場に詳しい彼は、今後の転職市場の行方を注視しています。
dodaは「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに掲げ、各種転職コンテンツを通じて求職者と求人企業の最適なマッチングを目指し続けています。