鯛よし百番の挑戦
2021-06-30 08:00:02

鯛よし百番が挑む、遊郭建築の修復プロジェクトとは

鯛よし百番が始めた遊郭建築の修復プロジェクト



大阪の遊郭建築である「鯛よし百番」が、クラウドファンディングによる修復プロジェクトを立ち上げました。これは歴史的な建物を保護し、未来に繋ぐための重要な試みといえます。しかし、この取り組みは、単なる修復作業ではなく、文化的な価値を再認識する活動でもあるのです。

文化遺産としての意義


日本の街中には、多くの歴史的建物が存在しますが、これらの文化遺産は個人の管理能力や維持費の問題から壊されてしまう可能性があります。その状況を受けて、鯛よし百番も修復の必要を痛感していましたが、コロナ禍の影響で経済的負担が増したため、計画が遅れてしまいました。このままでは建物が老朽化し、修復が不可能になる恐れがあります。そこで、彼らは新たな資金調達手段としてクラウドファンディングを選択しました。

修復ポリシーと進め方


「鯛よし百番」は、大正期の遊郭妓楼建築としての特性と、戦後の大改修による桃山美術館としての豊かな文化的要素を両立させています。今後の修復事業では、元の建物構造を重視しつつも、内装の華やかな部分まで残す計画が立てられています。また、支援金額に応じて範囲を広げていく方針です。最初に必要な修復は、建物の基礎部分や雨漏りなどの構造修復に重点をおくことが決まっています。非常に多くの方々が支援しやすいリターンも用意されており、限定グッズや食事券なども期待されています。

クラウドファンディングの詳細


このプロジェクトのタイトルは「鯛よし百番修復へ。飛田百番の魅力、歴史を未来につなぐために」。募集期間は約41日間、2020年6月30日から8月10日までです。目標金額は1500万円で、支援の形は「All or Nothing方式」を採用しています。これは、目標金額に達しない限り、支援金が受け取れない仕組みです。

飛田新地の歴史


飛田新地は、現存する数少ない遊郭の一つで、1918年に設立され、戦後の規制でも生き残りました。当時の風情が色濃く残るこのエリアは、江戸時代の文化と明治以降の西洋文化が交じり合った独特の歴史的背景を持っています。こうした背景を理解することで、鯛よし百番の重要性が一層際立ちます。

VR体験の提供


このクラウドファンディングに先立って、MICRO HERITAGEとの協力のもと、鯛よし百番内部をVRで公開するなど、初めて興味を持つきっかけを作りました。このVR映像は、多くの人々に遊郭建築について理解を深める手助けとなることでしょう。

応援の声


最後に、鯛よし百番を所有する株式会社 鯛よしの木下邦子社長からのメッセージも紹介されています。彼女は、このプロジェクトが過去の歴史を次世代に伝えるために重要であることを強調しています。また、文化的景観を次世代に残すことは私たちの責任であり、この活動に多くの人からの支援を呼び掛けています。

歴史ある建物を保護することは決して単なる修復だけではなく、私たちに文化を理解し、次世代に伝えるための重要な活動です。「鯛よし百番」が立ち上げたこのプロジェクトによって、遊郭建築の価値を再発見し、未来をつなぐための一歩が踏み出されることでしょう。

会社情報

会社名
株式会社鯛よし
住所
大阪府大阪市西成区山王3-5-25
電話番号
06-6632-0050

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