次世代型物流システム「T-Carry system」がついに本格稼働
情報通信と物流の融合が進む中、株式会社椿本チエインとKDDI株式会社の合弁会社「Nexa Ware」が開発した次世代型物流システムが鈴与株式会社の川越物流センターで本格的に稼働を始めました。この新しいシステムは、物流業界におけるさまざまな課題を解決するための鍵となるかもしれません。
合弁事業の目的とは?
Nexa Wareは、2022年11月に設立された合弁会社で、物流倉庫内の効率化を実現するため、「次世代型の物流倉庫自動化ソリューション」を提供することを目指しています。2024年の物流2024年問題や労働人口不足といった社会的課題に対応するため、多様なメーカーや機器に対応可能なベンダーフリーなシステムを構築しています。これにより、物流業者は迅速に業務を立ち上げることが可能になります。
次世代型物流システムの特徴
鈴与川越物流センターには、「T-Carry system」という小型AGV(自動-guided vehicle)を使用した仕分けシステムが導入されています。具体的には、80台のAGVがバーコードを利用して商品を高速で仕分けることができ、物量の変動にも柔軟に対応可能です。
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効率的な仕分けプロセス: T-Carry systemでは、商品が入荷されると同時に、自動的に仕分けが開始されます。これにより作業者は商品を取りに行く手間が省かれ、歩行距離が大幅に削減されます。
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データ活用による作業最適化: Nexa Warehouse-Optimizerというデータ分析サービスが搭載されており、作業場の状況をリアルタイムで可視化。現場での作業者の動きを分析することで、渋滞を回避し、より効果的な作業フローを実現します。
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定期的な業務改善: 分析データを基にした習熟度管理により、繁忙期に合わせた適切な人員配置を行うことが可能です。この結果、全体の作業効率が向上し、作業者の負担が軽減されることが期待されます。
鈴与川越物流センターでは、これらのシステムの導入により、仕分け処理量が20%向上したとのこと。業務の効率化だけでなく、持続可能な物流の実現に向けて新しい一歩を踏み出しました。
期待される未来
今後Nexa Wareは、さらに物流のデジタルトランスフォーメーションと言える物流のDXを進め、現場のデータの活用を拡大していく計画です。従来の物流システムにおける課題はたくさんあり、労働力不足やコスト増大といった問題は業界全体に影響を与えています。このような背景の中、次世代型物流システムは重要な役割を果たすと期待されています。
特に、人口減少に伴う労働力の不足が懸念される日本において、このような自動化技術の導入は、各種産業における生産性の向上と持続可能性を確保するための大きな助けになるでしょう。
このように、Nexa Wareが提供する次世代型物流システムは、単なる技術革新にとどまらず、業界全体の未来を変えるポテンシャルを秘めています。今後の展開に注目が集まります。