プラスチック試験の再現性
2026-06-09 11:38:11

プラスチックの海洋生分解度試験における再現性向上の研究成果

プラスチックの海洋生分解度試験における再現性向上の研究成果



最近、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)を中心に、海洋生分解性プラスチックに関する重要な研究が行われました。この研究の目的は、プラスチックが実際に海で生分解されるかを評価するための信頼性の高い微生物量測定法を選定し、その結果を新たなガイドラインとして活用することです。

背景



プラスチックごみによる環境への負荷を軽減するため、生分解性プラスチックが注目されています。特に、海洋環境での生分解性の確認は重要です。しかし、実際の海水試料を使用する試験では、微生物の種類や量が採水場所や季節によって異なるため、再現性の高い試験結果を得ることが難しいという課題があります。これにより、プラスチックの生分解度の解釈が難しくなることがあるのです。

新しい測定法の検討



本研究では、NITE、静岡県環境衛生科学研究所、産業技術総合研究所、化学物質評価研究機構の共同調査により、4つの微生物量測定法を比較しました。これらは、蛍光顕微鏡を用いる計数法(MCC)、自動測定装置を用いる計数法(ACC)、定量PCR法(qPCR)、寒天培地上のコロニー数を数える方法(CFU)の4つです。

各手法にはそれぞれ利点があり、MCCは細胞を直接観察できる一方、ACCは自動化により迅速です。qPCRは遺伝子を指標に安定した測定が可能で、CFU法は簡便で低コストというメリットがあります。しかし、試験環境によるバラつきが結果に影響を及ぼすこともあります。

試験結果とその意義



試験の結果、MCCとqPCRの方法は、複数の海水試料に対して繰り返し測定を行った際に安定した結果を示しました。これらは、今後の海洋生分解性試験における微生物量測定として非常に適していると考えられます。この結果は、試験前に海水中の微生物量を確認するための重要な情報を提供します。

逆に、ACCは迅速性があるものの、複雑な海水試料に対してMCC結果と乖離する傾向があり、今後の改良が期待されています。また、CFU法では、環境サンプル中に含まれている微生物全体を把握するのは難しいという制約もあります。

これらの結果は、プラスチック素材の開発においても重要です。単に「分解した」「分解しなかった」という結果だけでなく、試験に用いた海水の微生物量を示すことで、より信頼性のある材料間の比較が可能になります。

結論と今後の展望



今後、この研究成果を元にしたガイドラインが普及することで、素材設計、分解試験、標準化の間での強固なつながりが期待されます。調査結果が海洋生分解度試験方法の再現性向上に寄与し、環境負荷を軽減するための新たな知見を提供することを願っています。

また、関連論文「Robustness of microbial quantification methods to seawater in marine plastic biodegradation test」は、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌に掲載されており、詳細な研究成果が記載されています。

詳細情報はNITEの公式ウェブサイトにおいてもご覧いただけます。


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