調査の概要
ヒューマンリソシア株式会社が実施した調査は、日本企業が直面するIT人材不足を背景に、海外のITエンジニアをどのように活用しているかを明らかにするものです。調査は、500名のビジネスパーソンを対象に行われ、期待値と実際の採用後の状況を比較しました。調査結果からは、海外IT人材の採用によって得られるメリットと課題が浮き彫りになっています。
期待以上の成果
調査の結果、海外IT人材を採用した企業が最も感じたメリットは、「AIやデータサイエンスなどで活躍できるエンジニアの採用」が可能であることでした。この点は事前に抱いていた期待を8.1ポイント上回るものでした。さらに、既存のエンジニアの技術向上や、新たな視点を企業に持ち込むグローバルな知識も、プラスの要因として評価されました。これにより、企業は短期的に高い技術力を享受できることが明らかになりました。
具体的には、次のようなポイントが挙げられます。
- - 他国の最先端技術を持つエンジニアの確保(+3.2ポイント)
- - グローバルな視点や感性を持つ人材の受け入れ(+2.6ポイント)
- - 語学力が高く、国際的なコネクションを築きやすいこと(+6.6ポイント)
複雑な課題
しかしながら、期待の裏には意外な課題も存在しました。特に大きな障壁となっているのは「日本語での社内コミュニケーション」です。この課題は、採用前には懸念されていたものの、実際には想定以上に高く、企業にとっては深刻な問題となっています。また、労働時間に対する考え方の違いや、チームワークへのアプローチの不一致など、異文化に起因する価値観の違いも、採用後に顕在化してきています。
異文化の壁
このように、日本語によるコミュニケーションは、海外人材を採用する企業にとって最も大きな課題として認識されています。おそらく、企業側は日本での就労における言語の壁がこれほどまでに高くなるとは予想していなかったのです。加えて、労働時間や雇用に関する文化的背景など、異文化に起因する認識の違いも、チームのパフォーマンスに影響を与えています。
探求と対応策
今回の調査結果を基に、ヒューマンリソシアは、海外IT人材の活用を進めるための「GIT(Global IT Talent)サービス」を展開しています。このサービスは、企業がITエンジニアを確保するための様々な支援を提供することを目的としています。技術力やグローバル知識を持つ人材の採用に向けて、今後も支援を続けていく考えです。
これまでの調査を通じて、日本国内のIT人材不足の深刻さが浮き彫りになり、この不足は今後も続くと見込まれています。海外IT人材の採用は、こうした状況に対する有効な手段ではあるものの、言語や文化の壁を克服するための準備も併せて行わなければならないでしょう。これからの企業は、採用後を見据えて、どのようにして多様な人材と協業していくかが重要な課題となることが示唆されています。
ヒューマンリソシアについて
1988年に設立されたヒューマンリソシアは、全国27拠点で総合人材サービスを展開しています。人材派遣や紹介、業務受託など、幅広いサービスを提供し、企業の成長をサポートしています。また、ヒューマングループとして多岐にわたる事業を展開し、質の高いサービスの提供を行っています。
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