名古屋大学発のスタートアップU-MAPがISO認証を取得
名古屋大学からのスピンオフ企業である株式会社U-MAP(愛知県名古屋市)が、テクノロジーデザインセンターでの研究開発および製造機能において、ISO 9001(品質マネジメントシステム)及びISO 14001(環境マネジメントシステム)の認証を2025年10月27日に取得したことが発表されました。この認証は、高熱伝導性材料「Thermalnite®」の開発と製造プロセスが国際規格に適合していることを示すものです。
Thermalnite®の特長
U-MAPが開発した「Thermalnite®」は、独自の結晶成長技術により繊維状の窒化アルミニウム単結晶フィラーを用いることで、従来の樹脂複合材料では達成困難だった高い熱伝導率と機械的な信頼性を兼ね備えています。この材料は、特に高熱密度が求められるパワー半導体モジュールやEV用の制御ユニット、5G通信機器などにおいて、その特性から注目を集めています。
ISO認証の意義
今回のISO認証の取得により、U-MAPはThermalnite®の開発から製造に至る全ての工程を国際基準に基づいて厳密に管理し、一貫した品質保証と工程追跡が可能となります。代表取締役の西谷健治氏は、「放熱素材は最終製品の性能を左右する重要なコンポーネントです。当社はスタートアップとして、研究段階から国際基準の品質と環境マネジメントを徹底してきました。ISO認証の取得は、Thermalnite®の量産化と国際市場への供給に向けた堅固な基盤が整ったことを意味します」と語っています。
今後の展開
U-MAPはこのISO認証を受けて、以下の取り組みを進めていくとしています。
- - 電子機器市場での材料供給を加速するために、研究から製造までの一貫した品質保証体制を確立する。
- - パワーデバイスやEV、通信分野への放熱材料の応用拡大を図り、放熱設計支援や製造プロセスを自動化・標準化してスケールアップ体制を強化。
- - 環境負荷低減を目指し、製造プロセスの改善やライフサイクルアセスメント(LCA)の導入を進める。
これらの施策により、U-MAPは一層の成長を図り、進化する電子機器市場での競争力を高めることを目指しています。
認証登録の詳細
このたび取得したISO認証に関する詳細は以下の通りです:
- - 登録組織:株式会社U-MAP テクノロジーデザインセンター
- - 登録種別:品質マネジメントシステム(ISO 9001:2015)、環境マネジメントシステム(ISO 14001:2015)
- - 適用規格:ISO 9001:2015 / ISO 14001:2015
- - 登録番号:SCC/INT/2510UA/20128(品質)/ SCC/INT/2510UO/20129(環境)
- - 登録範囲:放熱材料の開発・製造
- - 認証機関:QFS MANAGEMENT SYSTEMS LLP
- - 認証取得日:2025年10月27日
展示会出展のお知らせ
U-MAPは「ネプコンジャパン2026 パワーデバイス&モジュール EXPO」に出展する予定です。会場では、明るい未来を見据えた放熱設計課題に対するThermalnite®を用いた放熱ソリューションや、量産を目指した品質マネジメントの取り組みについて紹介します。
- - 展示会名:ネプコンジャパン2026 パワーデバイス&モジュール EXPO
- - 会期:2026年1月21日(水)~1月23日(金)
- - 会場:東京ビッグサイト
- - 小間番号:E39-44
事前登録が必要ですので、来場をご希望の方は入場用登録フォームからお申し込みください。
会社概要
株式会社U-MAPは、名古屋大学の技術を基盤に、放熱材料の研究開発、製造を行うスタートアップです。ミッションとして「世界の熱問題を素材で解決する」を掲げ、高熱伝導性材料Thermalnite®を通じて、電子機器の高出力化による熱問題解決に貢献しています。会社の詳細は公式ウェブサイトをチェックしてください:
U-MAP公式サイト
お問い合わせ先
事業開発部広報マーケティンググループ 担当:山田 E-mail:
[email protected] お問い合わせフォーム:https://umap-corp.com/contact