アルバイトとSNSの壁
2024-08-06 14:25:14

アルバイト生のSNS交換に対する不安と「つながらない権利」について考える

アルバイト生のSNS交換に対する不安と「つながらない権利」



最近の調査によると、アルバイト従業員の42%が個人のSNSで業務連絡が行われることに対する問題意識を持っているという結果が明らかになりました。この調査は、株式会社アイリッジとディップ株式会社が共同で行い、全国の15歳から49歳の男女約14,000名を対象に実施されました。

調査の背景



調査の背景には、特に夏休みの時期に学生たちがアルバイトを増やす傾向があることが挙げられます。人手不足やスポットワークの需要が高まる中で、掛け持ちで働く学生が増え、シフト調整などの際にSNSが業務の連絡手段として用いられることが多くなっています。しかし、このような状況下で、プライベートと仕事が交錯することで、従業員が抱える不安が顕在化しています。フランスでは「つながらない権利」という概念が2017年に法制化され、業務時間外の連絡に対して労使間での合意を義務付けていますが、日本の労働環境ではその認識が浸透していない現実があります。

アルバイト生たちの意見



本調査では、44%もの学生が夏休みにアルバイトを増やす可能性があると回答し、約31%の学生がすでに2つ以上のアルバイトを掛け持ちしていることが分かりました。彼らは、夏休みに希望するアルバイト形態として、レギュラーバイトや短期バイトの需要が高いことが確認されています。また、アルバイトを増やす理由として41.9%が将来に備えての貯金を挙げており、経済的な理由が大きく影響していることが示唆されます。

一方、アルバイトで働く方の4割が個人SNSでの業務コミュニケーションを好ましく思っていないことが分かりました。特に、業務上の連絡がプライベートな時間を侵害することでストレスを感じている様子が伺えます。10代のアルバイト生においては、SNSは個人的な繋がりを持つためのものであり、仕事の連絡は避けたいという考えが強く表れています。

トラブルの実情と意識のずれ



調査の結果、アルバイト従業員のうち、実際に個人SNSで業務連絡を受けた経験がある人は約39%に上ることが明らかになりました。また、今回の調査では「意に反して個人SNSを教えなければいけなかった」という事例も多く、約3割が望まぬSNS交換を強いられた経験を持っています。

さらに、管理職の意識調査では、問題意識はあれど実際の運用における乖離が存在しており、特に飲食業では個人SNSでの連絡が多く発生しているという実態が浮き彫りになっています。実際、SNSでの連絡を行う理由として、コストや合意の取得が挙げられる一方で、ノーと言えない状況にあるアルバイトも少なくないのが現状です。

「つながらない権利」の重要性



このように、アルバイトコミュニケーションにおける「つながらない権利」は、今後の働き方において重要なテーマとなるでしょう。同時に、アルバイト従業員のプライベートな領域を守るためには、管理者と従業員間のコミュニケーションを強化し、どのような連絡が適切であるかを共に考える場を設けることが必要です。それによって、職場の人間関係を良好に保ち、従業員の定着率を向上させるための環境を築くことができるのです。

この調査結果を受けて、ディップ株式会社とアイリッジではアルバイトと企業双方の持続可能な環境づくりを目指し、「つながらない権利」に関する教育やサービスの開発を推進していくとのことです。今後どのような取り組みが行われるか、注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社アイリッジ
住所
東京都港区麻布台1-11-9 BPRプレイス神谷町10F
電話番号
03-6441-2325

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