セントラルスポーツが支える日本人宇宙飛行士の健康管理
セントラルスポーツ株式会社(本社:東京都中央区)は、日本の宇宙飛行士の健康管理を支える重要な役割を担っています。JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が実施する「日本人宇宙飛行士の健康管理運用業務」において、セントラルスポーツは運動および生理的対策業務として、最大酸素摂取量の測定を行っています。これにより、大西卓哉宇宙飛行士や油井亀美也宇宙飛行士が宇宙でのミッションに備えるための運動プログラムが効果的に立案されています。
宇宙飛行士の運動の重要性
国際宇宙ステーション(ISS)では、微小重力環境が影響し、長期滞在により筋力や骨量が減少するリスクがあります。そのため、宇宙飛行士にとっては十分な運動が不可欠です。セントラルスポーツは、筑波宇宙センターでの最大酸素摂取量測定を通じて、宇宙飛行士の個々の体力レベルに応じた運動強度を設定しています。この測定結果により、飛行前、飛行中、飛行後の各フェーズで適切な運動プログラムが組まれます。
各フェーズの運動プログラム
1.
飛行前:宇宙特有の環境に適応するための身体を作るトレーニングを行います。
2.
飛行中:ISS内のトレッドミルや自転車エルゴメータ、抵抗運動器具(ARED)を使用して、筋力と心肺機能を維持します。
3.
飛行後:地球の重力環境に適応し、身体機能の回復を促進する運動を行います。
これらの運動が適切に行われるよう、定期的な医学検査や体力測定が実施され、モニタリングが行われています。
ビジネスパートナーとその役割
セントラルスポーツは、宇宙飛行士の健康管理業務において、重要なビジネスパートナーとしての役割を果たしています。健康管理運用業務は2025年から2031年までの6年間にわたり、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)の統括のもとに行われます。JAMSSは、各専門機関と連携し、宇宙飛行士の健康管理を包括的に支えています。具体的な役割分担は以下の通りです。
- - 有人宇宙システム株式会社(JAMSS):業務全体のとりまとめ
- - 大妻女子大学:宇宙飛行士の栄養評価・面談
- - エームサービス株式会社:宇宙飛行士の栄養評価・面談
- - 杏林大学:運動・生理的対策業務
- - 特定非営利活動法人メンタルレスキュー協会:精神心理面談
- - 東京技術計算コンサルタント:宇宙放射線被ばく管理の支援
セントラルスポーツの歴史と理念
セントラルスポーツは、1964年の東京オリンピックで日本代表として競泳選手を育成することを目指し、1969年に創業されました。以来、数多くのオリンピック選手を輩出し続けています。今では「0歳から一生涯の健康づくりに貢献する」という理念を掲げ、全国約260のスポーツクラブを運営し、青少年の健全育成にも注力しています。
宇宙という極限の環境で活動する宇宙飛行士の健康を支えるセントラルスポーツの取り組みは、まさに未来の健康づくりの重要な一歩と言えるでしょう。