宇宙データを用いた新たな調達基盤の構築進行中
Space Tech Accelerator株式会社(以下STA)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する宇宙戦略基金事業の技術テーマにおいて、事業に「現場を結ぶアジア発サステナブル調達基盤構築」が採択されたことを発表しました。この取り組みは、第一次採択に続き、さらなる成長を見込むプロジェクトです。
事業の目的
本事業は、衛星データと現場からの情報を統合し、アジアにおける農業および資源サプライチェーンの持続可能な調達を実現するためのモニタリング基盤を構築します。特にインドネシアのパーム油からスタートし、次第にココナッツ、カカオ、コーヒー、天然ゴムなどへと展開を図ります。
課題の背景
私たちの日常生活に欠かせない商品の多くは、東南アジア、特にインドネシアやマレーシアで生産されています。パーム油の年間生産量は約7800万トンに達し、日本は年間67万トンを輸入しています。しかし、パーム油の生産過程には多くの課題があります。特に、小規模農家の多くは認証を取得するための壁や、森林減少に起因する環境問題に直面しています。
さらに、EU森林破壊防止規則(EUDR)やScope3開示が義務化され、調達企業にとってはリスク管理が急務となっています。直接現場を訪れることには限界がある中で、STAは衛星データと一次情報を活用し、産地の実態を浮き彫りにする試みに挑戦します。
具体的な取り組み内容
1. サプライチェーン統合プラットフォームの開発
STAは、衛星データと現場の取引記録、認証関連データを統合するクラウド基盤の構築を進めます。このプラットフォームによって、農家は自らの農地の状況を把握でき、調達企業はリスクを分析し、認証機関は効率的な審査が可能となります。
2. 小規模農家向けアプリの導入
第一期事業で開発した農協向けアプリを社会に実装し、作業を効率化する機能を充実させます。特に、衛星データを活用した収量予測や施肥の最適化機能を持つように進化させ、インドネシアのパーム油分野における実用性を高めていきます。
3. 衛星データ利用を通じた新たなソリューションの開発
様々な衛星データ(SAR、光学、ハイパースペクトル、熱赤外)を組み合わせることで、農業や資源分野の分析精度を向上させ、新しいユースケースの開発に挑みます。これにより、作物の生産状況を把握し、温室効果ガスの排出量算定なども行えるようになります。
推進体制
STAが中心となり、スカパーJSAT、三菱電機、セーレンなどの企業と連携し、現場でのデータ活用を進めます。インドネシアの国営機関との協力体制を確立し、産地での実用性を高めると同時に、調達企業にとっても信頼のおける情報源を持つための基盤を整えます。
代表者のコメント
STAの代表取締役である平賀元気氏は、「サステナビリティの課題を解決するためには、農家の生活を改善する必要がある。衛星と現場のデータを結びつけ、持続可能な経済モデルを構築していくことが、より良い世界に繋がる」との考えを示しています。
会社概要
STAは、2023年に設立され、宇宙技術を活用して世界平和に挑んでいる企業です。農業、林業、エネルギー分野での事業開発に注力しており、未来の持続可能な社会の実現を目指しています。公式ウェブサイトも併せてご覧ください。