ボストン・サイエンティフィック、英国でのCRT-D推奨を受けた新バッテリー技術の実力

ボストン・サイエンティフィック、英国でのCRT-D推奨を受けた新バッテリー技術の実力



英国国立医療技術評価機構(NICE)が、ボストン・サイエンティフィックの両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)に搭載されたENDURALIFE™バッテリーを推奨しました。この推奨は、医療の質向上とコスト削減を同時に実現する可能性を秘めており、業界から大きな関心を集めています。

NICEとは?


NICE(National Institute for Health and Care Excellence)は、英国政府の機関であり、国民保健サービス(NHS)に対して基準となる医療技術の評価やガイダンスを提供しています。特に、コストパフォーマンスを重視した医療の推進に努めています。

推奨されたCRT-Dとは?


ボストン・サイエンティフィックのCRT-Dは、患者の心臓の動きを正常化させるために設計されており、長寿命のENDURALIFE™バッテリーを搭載しています。このバッテリーは交換手術の回数を減少させ、患者の予後改善に寄与すると同時に、NHSに対して約600万ポンドのコスト削減をもたらすとNICEは評価しています。この試算は、入院や医療材料費の削減など、デバイスの交換に伴う費用を考慮に入れたものです。

どのようにコスト削減を実現するのか?


ENDURALIFE™バッテリーの導入により、交換手術の頻度が減り、それに伴って術後の合併症や感染症が発生するリスクも低下します。これは、患者の健康状態の向上だけでなく、医療機関にとっての経済的負担を軽減する結果につながるでしょう。

リバプール・ハート・アンド・チェスト・ホスピタルの心臓専門医、ジェイ・ライト氏は、「NICEの推奨は、CRT-D患者におけるデバイスの寿命がどれほど重要であるかを示しています。交換手術の回数を減らすことで、NHSが抱える長期的な負担を削減できる可能性があります」と述べています。

科学的な根拠


NICEの医療技術諮問委員会は、ENDURALIFE™バッテリーが長寿命であることを、16件の独立した臨床研究から確認しています。また、このバッテリーはリチウム二酸化マンガン電池を基本にしており、従来のリチウム/酸化バナジウム(Li/SVO)バッテリーと比較して、小型化かつ長寿命化に成功しています。

過去には7年生存率が94%というデータもあり、これはデバイスがいかに信頼性が高いかを示しています。

日本における状況


一般社団法人日本不整脈デバイス工業会によると、2016年の日本国内でのCRT-D植込み手術は3,534件に上り、患者にとってデバイスの寿命が重要な要素であることが示唆されています。実際、患者はデバイスのサイズよりもその寿命を優先する傾向にあるとされており、これは治療成績に直結する要因とも言えるでしょう。

結論


ENDURALIFE™バッテリーの成功はボストン・サイエンティフィックにとって重要な進展であり、NICEによる推奨は、今後の医療における新たな道標となることが期待されます。患者さんにとっても医療システム全体にとっても、革新的なデバイスの登場は望ましい結果をもたらすでしょう。

詳細については、NICEの公式ホームページをご覧ください:NICEのガイダンス詳細

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ボストン・サイエンティフィックについて
ボストン・サイエンティフィックは、革新的な治療法を用いて患者の健康状態を改善することを目指す企業で、30年以上にわたり医療技術の最前線を推進しています。

会社情報

会社名
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社
住所
東京都中野区中野4-10-2中野セントラルパークサウス
電話番号
03-6853-1000

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