新たなイノベーションの波
パナソニック株式会社、JR東日本のCVCであるJRE VENTURES、そして株式会社博報堂DYベンチャーズが、事業会社のオープンイノベーションの推進に向けて新たにCross Capitalに参加しました。これにより、企業とスタートアップの協業を強化し、日本国内外のエコシステムをさらに発展させていくことが期待されています。
Cross Capitalの設立背景とは
Cross Capitalは、企業のイノベーションを実現するために設立されたFund of Funds(FoF)であり、特に日本企業向けの支援に力を入れています。2023年12月から運用を開始し、これまでに約30の都市で1,800社を超えるグローバルなポートフォリオを構築してきました。このプラットフォームは、事業会社のニーズに応じた伴走支援を提供し、出向を活用した人材育成プログラムも評価されています。
参加企業の意義
パナソニック
パナソニックのChief Transformation Officer、郷原氏は、世界的に拡張する事業の中で、異業種との協力が必要であることを強調しています。Cross Capitalに参加することで、海外のスタートアップ企業と連携し、自社のサービスやソリューションへと変革を図るチャンスを得られると見込んでいます。
JR東日本(JRE VENTURES)
JR東日本の衛藤マネージングディレクターは、特に東南アジア地域を中心に活動するスタートアップとの協業を目指す姿勢を示しています。Cross Capitalとの連携により、リアルとデジタルの融合を進め、顧客に新たな価値を提供することが狙いです。新しいビジネスモデルを通じて、JRE VENTURESは産業界の潜在能力を引き出していくことを目指しています。
博報堂DYベンチャーズ
さらに、博報堂DYベンチャーズの徳久社長は、Cross Capitalの網羅的なVCネットワークを通じて新規事業開発を加速させる重要性を述べています。この協力関係は、世界中のスタートアップとの協業機会を増やすだけでなく、既存の事業モデルにも革新をもたらすと考えられています。
未来に向けた取り組み
Cross Capitalは、多岐にわたるセクターに投資する計画を立てています。2024年度中には、特に東南アジアや欧州を中心に、5から7社のトップティアVCへの投資を実施するとしています。これにより、さまざまな業界でのDX(デジタルトランスフォーメーション)や、スマートシティ、フィンテックなどの領域での進展が期待されます。
イノベーションの進化を支える仕組み
Cross Capitalのモデルは、協業を促進し、企業の潜在能力を最大限に引き出すものです。各事業会社は、FoFを通じて1,800社以上のスタートアップにアクセスし、共同プロジェクトの立ち上げや事業構想を実施していきます。このようなプロセスを通じて、日本国内外の企業が持つ専門性を共有し、新たなビジネスチャンスを創出していくことが狙いです。
結論
パナソニック、JR東日本、博報堂DYの3社の参画は、ジャパニーズイノベーションを世界に広げるための重要なステップといえます。各社の強みを活かして、新たな協業を生み出し、グローバルなエコシステムの形成に繋がることが期待されています。未来のビジネスモデルの構築に向け、各社が持つポテンシャルを如何に引き出すかが今後の重要な課題となるでしょう。