信濃毎日新聞とVFRが手を組みドローンビジネスを拡大

信濃毎日新聞とVFRが業務提携を締結

2023年10月29日、長野県で歴史を持つ信濃毎日新聞株式会社とドローン開発を手掛けるVFR株式会社が包括的な業務提携を発表しました。この提携により、両社はドローンを活用し、空撮コンテンツを制作するだけでなく、社会における役立ち方を自治体と協力して広める活動を開始します。

背景には地域課題が存在

信州・長野県は自然に囲まれた美しい地域ですが、移動や物流の面で多くの制約を抱えています。人口減少と人手不足の影響で、公共交通や物流網の維持が困難になり、災害時や緊急時の対応も大きな社会課題となっています。そこで、県内の行政、企業、大学が連携し、次世代空モビリティの社会実装を推進する動きが始まっています。

ドローン関連産業は成長が期待されており、空撮や点検、農業、物流、防災と多岐にわたる利用方法が考えられます。しかし、ドローンの普及には安全性や地域社会の理解が必要不可欠です。

協業の経緯と目的

VFRは2020年に設立されたスタートアップ企業で、災害対応や物流、点検など多様な分野におけるドローンの設計から製造、販売、保守までを一貫して行っています。信濃毎日新聞社は地域との深いつながりを生かし、新しいビジネス領域への進出を模索していました。両社は、それぞれの強みを持ち寄ることで、ドローンを用いた社会の活性化に貢献できると判断したのです。

提携の具体的内容

信濃毎日新聞社は営業、事業管理、PRを担当し、VFRはドローンの操縦、撮影、技術情報提供を担当し、共にドローン活用の幅を広げる取り組みを行います。特筆すべきは、信濃毎日新聞社がVFRとの連携を基に提案した事業計画が、長野県の補助金に採択された点です。この補助金を活用し、地域企業団体への呼びかけを行い、「信州ドローン・フレンドシップ・デー（仮称）」のイベントを企画します。

今後の展望

このほかにも、ドローンを使った実証実験、防災活動への活用、技術開発への協力といった点でも共同で取り組む予定です。さらに、人材育成においても相互に協力し合い、エンターテインメントや広告、イベント事業における新たなサービスを模索していく方針です。

両社は他の企業・団体とも協力関係を築き、長野県におけるドローンの社会実装のハブとなることを目指しています。これにより、地域の未来に貢献し、住民の生活をより便利にすることを企画しているのです。

信濃毎日新聞社とVFRの業務提携は、地域の問題解決に向けた重要な一歩であり、今後の展開には大きな期待が寄せられています。彼らの取り組みがどのように進化していくのか、今後も注目が集まります。