フレスコボールとその研究背景
フレスコボールは、ブラジルのリオデジャネイロで1945年に生まれたビーチスポーツです。向かい合う二人が協力してラリーを続ける独特のスタイルが特徴で、競技時間は5分、7メートルの距離を保ちながら行います。この「思いやりのスポーツ」とも称される競技が、日本国内でも人気を集める中、フレスコボールに関する重要な研究が行われました。その内容が、先日開催された『Asian Association for Sport Management 国際学会』で発表されたのです。
研究を進めた井上慎也氏の取り組み
この研究を主導したのは、東洋大学大学院の井上慎也氏。選手としても活躍し、2022年には『JBG®F千葉フレスコボールジャパンオープン』で男子6位に入った実績を持つ井上氏は、競技者の視点からフレスコボールに関する分析を進めることができました。彼の研究は、国内におけるフレスコボールの普及活動を支援する一般社団法人日本フレスコボール協会(JFBA)の監修のもと実施されました。
調査の内容と結果
研究は、2024年の11月から12月にかけて実施され、全国から88名のフレスコボール競技者の回答を得ました。参加者は、JFBAの環境保全の理念を認識しているかどうかでグループ分けされ、その結果に興味深い違いが見られました。
環境保全の理念を知っている競技者の特徴としては、環境問題への関心が高く、フレスコボールに強い愛着を持ち、ポジティブな口コミを周囲に広めやすい傾向が確認されました。さらに、彼らは「仲間意識」や「スポーツへの愛着」が環境配慮行動を促進し、ごみを減らすことや自然保護につながる行動を取ることが明らかになりました。一方で、理念を知らない競技者では、環境への関心は見られましたが、スポーツへの愛着や仲間意識が生かされにくい状況が目立ちました。
スポーツ団体の役割と今後の展望
この調査結果から分かったのは、スポーツ団体が環境への考えを分かりやすく伝え、選手一人ひとりの意識改革を促すことが求められているという事実です。フレスコボールのように自然環境と密接に関わるスポーツは、競技を通じて環境保全の重要性を体感させ、広げていく大きな可能性を秘めています。JFBAでは、競技普及を進めると同時に、環境との共生を図るスポーツ文化の発信にも力を入れていく方針です。
フレスコボールの魅力と今後の取り組み
フレスコボールは、その協力的な競技スタイルからコミュニケーションデザインスポーツとしても注目を集めています。JFBAは、国際ルールの統一を目指し、リオフレスコボール連盟(FEFERJ)との連携を強化しています。2025年10月には、世界初の国際組織『UAFI』設立に向けた基本合意が交わされ、国内でも28の公認地域クラブと6の公認学生団体が登録されています。これからもフレスコボールが国際的に普及し、環境保全意識の向上につながることが期待されます。