新たなボードゲーム「都市伝説ダウト」登場
株式会社ワン・パブリッシングが手掛けるスーパーミステリー・マガジン「ムー」が、ねじれた都市伝説の世界に挑む新作ボードゲーム「都市伝説ダウト『証拠より論』」を11月12日に発売します。このゲームは大阪の「ない株式会社」が制作し、社会問題化している陰謀論に対抗する耐性を育むことを目的としています。
ゲームの内容と目的
本作では、プレイヤーは“都市伝説テラー”として、配られたカードをもとに物語を披露します。このカードには実際に存在する都市伝説が書かれた「都市伝説カード」と、実在しない話を作り上げなければならない「ナシ伝説カード」が含まれています。これにより、プレイヤーは自分の想像力を駆使して、全くの虚構を真実に見せかけたストーリーを語るという体験が与えられます。
遊び方と学び
プレイヤーはまず、ランダムに2枚のカードを引きます。税5分間のシンキングタイムを設けた後、持っているカードを基にエピソードを創作します。特に、ナシ伝説カードを持っている場合は、実際には存在しない都市伝説を創り出さなければなりません。信頼のおける嘘を語るためには、プレイヤーは聞き手の思考をしっかりと読み解く必要があります。ゲームの終わりまでに全員が2回エピソードを披露しますが、その過程で本当の都市伝説と重なる話になる場合もあります。
このプロセスそのものが、「本当のところはどうなのか?」という疑問をもたらし、陰謀論に対する耐性を強化することを目的としています。
背景と研究
最近の研究により、陰謀論にハマりがちな人々の特徴には「熟慮性」すなわち、考える力が関与していることが示されています。ワン・パブリッシングのこの新たなボードゲームは、プレイヤーに自分自身が信じる事実と虚構の境界を見極める能力を求めることで、熟慮性を育むことを意図しています。
しかし、実施した効果検証では、逆に陰謀論を信じやすくなる傾向が見られるという結果も出てしまいました。この現象は、ゲームの特性によるもので、プレイヤーが「都市伝説=本当」と誤解する可能性が考えられます。
陰謀論に向き合う
このボードゲームは、単なる娯楽を超えて、プレイヤーに物事を疑う力を教える構造となっています。実際、ゲーム中にはインターネット検索を通じて事実確認を行いながら進められる部分もあり、情報リテラシー教育の強化にもつながるでしょう。
商品の詳細
「都市伝説ダウト『証拠より論』」は、2025年11月12日からAmazonで購入可能です。価格は4,950円(税込)で、プレイ時間は約20分、プレイ人数は4~6名に設定されています。また、同月23日の文学フリマ東京でも販売予定です。
このボードゲームは、楽しいながらも非常に考えさせられる体験を提供します。誤情報や陰謀論との向き合い方を子どもから大人までが考える機会を与えてくれることでしょう。「都市伝説ダウト」は、ただのゲームではなく、私たちが日常生活で直面する情報の真実を見極める力を育む貴重な教材になるかもしれません。