入院生活を豊かにするためのデザイン
石川県金沢市に拠点を置く一般社団法人菊地誠22世紀医美支援事業団が主催する「第10回医美同源デザインアワード」が、入院生活を豊かにするデザインをテーマに、今年も多くの応募を受け付けました。115点もの応募作品の中から、選ばれたのは、プロダクト部門、コミュニケーション部門、空間部門それぞれから選ばれた9作品です。このアワードの目的は、患者さんが病院でより快適で豊かに過ごすためのデザインを推進することです。
受賞作品の特徴
プロダクト部門
1.
正しく測れる体温計
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デザイナー: 原 清胤(新潟県)
- 体温計を45°の角度に設計することで、正確な測定を提供する新しい形の体温計。視認性も良く、入院生活をサポートします。
2.
Opuna
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デザイナー: 河野 史明(神奈川県)
- トナカイの角を模したユニークなスプーンとフォーク。利き手や手袋を使っても食べやすく、幅広い年齢層に配慮したデザイン。
3.
勇者の勲章
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デザイナー: 榎本 千紘(兵庫県)
- ネガティブな体験をポジティブに変える絆創膏。頑張った証として、心のケアにもつながる作品です。
コミュニケーション部門
4.
HOSPITAL BINGO
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デザインチーム: 岩田 祐佳梨、高嶋 結、中鉢 耕平ほか(茨城県)
- 子ども向けのビンゴゲームを通じて治療へのモチベーションをサポートするツールです。
5.
あつめて!ホスピタン
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デザインチーム: 九州大学病院・九州大学(福岡県)
- 医療器具をモチーフにしたキャラクターによって、入院生活を楽しくサポート。
6.
グチミッケ
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デザイナー: 上原 遥(東京都)
- 看護師の悩みを匿名で投稿し、企業が解決策を提供するアプリ。職場環境改善にも寄与するサービスです。
空間部門
7.
雨の日でも窓を開けられる、大きな軒のデザイン
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デザイナー: 矢間 将司(東京都)
- 天候に関わらず、自然を感じられる病院の空間を提案する大きな軒を設計。
8.
ICU家族控室改修プロジェクト
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デザインチーム: 筑波大学芸術専門学群ほか(茨城県)
- 家族が滞在しやすい控室を提供することで、心の備えができるように配慮された空間デザイン。
9.
結窓眺め話し、想い彩る。
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デザインチーム: 信州大学大学院・東京都立大学大学院(長野県、東京都)
- 窓に着目した空間デザインで、入院中の患者と外のつながりを深める作品。
シンポジウム概要
今後の予定として、2025年3月14日(金)には、金沢21世紀美術館にて受賞者によるプレゼンテーションと、専門家によるパネルディスカッションが行われる「医美同源シンポジウム」が予定されています。このシンポジウムでは、最終受賞者が選ばれ、医療とデザインの専門家が「病院のくらしをデザインする」ことに関する貴重な意見を交わします。
シンポジウム詳細
- - 日時: 2025年3月14日(金)18:30~20:00
- - 場所: 金沢21世紀美術館シアター21
- - 参加費: 無料(要申し込み)
- - 申し込みURL: 医美同源デザインアワード申し込み
このイベントを通じて、医療現場におけるデザインの力を再認識するとともに、さらなる入院生活の質向上に期待が寄せられます。