2026年卒業予定者向けのマイナビキャリア意向調査結果を解説

株式会社マイナビが発表した2026年卒業予定者向けのキャリア意向調査では、就職活動の現状が鮮明に示されています。この調査は全国の大学生および大学院生を対象に実施され、特に注目を集めているのは内々定保有率といくつかの新たなトレンドです。

調査によれば、2023年7月末時点での内々定保有率は81.4%であり、前年同時期に比べて4.1ポイントの減少が見られました。特に文系学生は78.6%、理系学生は85.8%という結果で、理系学生の方が高い内々定率を持っていることが明白です。さらに、就職活動を継続している学生の割合は31.2%で、昨年同期比で増加しています。

内々定を持つ学生たちのうち、1社の内々定を保有している割合は66.5%に達し、これは前年から36.1ポイントの大幅な上昇を示しています。このデータは、学生が一つの内々定先に決める傾向が強まっていることを物語っており、就職活動の戦略に変化が生じているようです。これにより、多くの学生が活動を終了し、一社で入社を決意したという印象があります。

さらに興味深いのが就職活動に影響を与えたニュースワードとして「初任給アップ」が3年連続で1位に輝いている点です。学生の声を聞くと、企業ごとに初任給が上がる中で、据え置きの企業に対する懸念が高まっていることが見て取れます。また、「働き方改革」や「テレワーク」といったワードも人気で、働き方に対する関心の高まりが反映されています。

就職用語に関するデータも揺るぎないトレンドを示しています。「ガクチカ」と呼ばれる学生時代に力を入れたことが3年連続で1位、続いて「NNT」（無い内定）が2位にランクインしています。新たに登場した用語、例えば「チャッピー」（ChatGPTの略）や「AI添削」にも注目が集まっており、AIが就職活動において重要な役割を果たしていることが伺えます。

理想とされる人事担当者についてのデータは、男性部門で櫻井翔さん、女性部門で水卜麻美さん、キャラクター部門ではドラえもんがそれぞれのカテゴリーでトップに立ち、例年と変わらぬ人気を誇っています。このことは、学生たちが信頼できる人事担当者と出会いたいと考えていることの表れであり、企業側にも配慮が求められます。

調査担当者は、内々定率や活動継続率の減少の背景には学生の本音が垣間見えるとし、単に内々定の数だけでなく、学生が自分に合った企業を見つけることが優先されていることを指摘しています。今後、企業は学生たちの価値観や期待に応じた柔軟な採用活動を展開することが求められるでしょう。

最終的に、マイナビのキャリアリサーチLabは、雇用の在り方を考える上での重要な情報源として位置づけられており、今後の採用活動における動向を追っていく必要があるでしょう。調査の詳細については、マイナビの公式サイトで確認可能です。