文豪坂口安吾の未収録短篇『盗まれた一萬円』が書籍化
株式会社深水社が全国各地に眠る文豪の未書籍化作品を探し出す新たな取り組み『漱アーカイブ』を開始し、それに続いて坂口安吾の『盗まれた一萬円』が初めて書籍化されました。この作品は安吾が26歳の頃に書かれた探偵小説であり、彼の文学的魅力を新たに見つけ出す貴重な機会となっています。
漱アーカイブの目的と特徴
『漱アーカイブ』は、未収録・未書籍化の文学作品が多く存在するという現状を打破すべく設立されました。特に近年の出版環境では、こうした作品が適切に保存・公開される機会が限られています。そこで、深水社は以下のプロセスを通じて文化的価値の高い作品を未来に伝える取り組みを行っています。
- - 稀少作品の申請受付
- - 作品の調査・編集・データ化
- - 保存・公開を行い、書籍化
これにより、日本文学の貴重な資源を確実に後世に引き継ぐことを目指しています。また、文学を地域文化の資源として活用し、地域の活性化にも寄与しようとしています。
文豪稀少作品出版レーベル「漱文庫」
続いて、同サイトに連動して設立された文豪稀少作品出版レーベル「漱文庫」から、坂口安吾の幻の短篇『盗まれた一萬円』が書籍化されました。この作品は、かつての新聞に掲載されたものであり、安吾ファンにとって待望の一冊です。
書籍詳細
- - タイトル: 坂口安吾『盗まれた一萬円』
- - 価格: 5,995円(本体5,450円)
- - 発売日: 2025年10月20日
- - ISBN: 978-4-911556-00-9
- - 収録作品: 『盗まれた一萬円』、他数作品
この作品は、2025年11月12日から神奈川近代文学館で開催される特別展「没後70年 坂口安吾展」で会場限定販売される予定です。特別価格は5,000円(税込)となるため、この機会にぜひ足を運んでみてください。
今後の展望
深水社は、文学作品の保存と販売を通じて、地域活性化を促進するために、文学研究者や自治体と協力し作品の発見・保存・データ化・書籍化を推進していく方針です。また、作家ゆかりの地で、地元の書店などと連携し、文学を通じた地域文化の魅力を発信する活動にも力を入れていくことを宣言しています。
この新たな試みが成功し、日本の文学がさらに多くの人々に親しまれることを願っています。文豪たちの未発表作を次々と発見し、文化を未来へ受け継ぐ「漱アーカイブ」の展開に期待が寄せられています。