日本発のグローバルIP戦略を支えるGIPI
iU(情報経営イノベーション専門職大学)とINFINIT8株式会社の協力により、グローバルIPビジネス研究機関「GIPI(Global IP Institute)」が設立されました。この取り組みは、日本のアカデミックリソースと企業の実務知識を融合させ、国内のIP(知的財産)を世界市場に展開することを目指しています。具体的には、アニメ、ゲーム、映画などのクリエイティブ産業を中心に、IPのビジネスモデルを研究し、実践的な知見を提供します。
GIPIの目的と研究内容
GIPIの設立目的は多岐にわたりますが、主な目標としては次のようなものがあります。
1.
ベストプラクティスの構築:日本のIPを国際的に展開するための具体的なモデルを体系的に整備します。
2.
人材育成:グローバルIPビジネスを牽引できる専門家を育成します。
3.
政策提言:実証に基づいて政府や自治体に対するアドバイスを行い、業界全体の発展に寄与します。
4.
産業活性化:スタートアップから大企業に至るまで、IPを活用した新規事業の創出を支援します。
このような目的を達成するために、GIPIは様々な方法論を導入します。ケーススタディ、定量分析、フィールドワークなどを通じて実際のデータを元にした研究を行い、国際比較調査も実施します。
産学共同の力を活かした研究
GIPIの特徴は、産学共同による運営です。iUでは、研究者や学生が中心となり、IPビジネスに取り組む企業と連携します。これにより、双方の知見やリソースを有効活用し、迅速にフィードバックを行うことが可能になります。また、研究成果は日本語と英語の両方で発信されるため、国際的な視野を持った研究活動が行われます。
具体的な活動内容
GIPIでは情報公開のスケジュールが設けられており、以下のような活動が行われます。
- - 情報アーカイブ:国内外のIP事例や市場データベースを構築し、2025年9月に公開予定です。
- - イベント:年2回のGIPIフォーラムや隔月のワークショップを開催し、業界の最新動向を共有していきます。
- - 白書制作:『Global IP Business White Paper 2026』を2026年3月に発行予定です。これにより、研究の成果を広く社会に問いかける予定です。
中村伊知哉学長のコメント
iUの学長である中村伊知哉氏は「日本のコンテンツとテクノロジーが持つIPの潜在力は広く、GIPIはその可能性を世界に広げる実験場になることを期待しています。産学連携による知の流通を促進し、若い世代にもリアルなビジネス体験を提供したい」と述べています。
INFINIT8の役割
INFINIT8株式会社、代表取締役社長小林弘和氏は、「GIPIプロジェクトを通じて、最新技術を用いたIPビジネスの支援を行い、より多くの業界関係者に知見を還元したい」と語ります。これにより、IP業界全体の発展を目指します。
最後に
GIPIの公式ウェブサイトは2025年7月18日に公開予定です。日本のクリエイティブ産業が持つ文化的影響力を活かし、グローバルな市場における競争力を高めるための重要な拠点として、期待が寄せられています。今後も注目していきたいプロジェクトです。