医師納得感を高める第10回JCHO地域医療総合医学会報告
2025年11月29日にパシフィコ横浜で開催された「第10回JCHO地域医療総合医学会」では、株式会社日本経営が主催したランチョンセミナーが行われました。テーマは『医師の納得感を高めるデータドリブンな医師マネジメント』です。このセミナーでは、医師マネジメントの重要性や今後の医療環境について触れられ、多くの参加者が聴講しました。
セミナーの中身は?
日本経営の太田昇蔵氏が講演を行い、2024年度の診療報酬改定や医師の働き方改革、地域医療構想といった外部環境を考慮しながら、医師・病院双方が納得できるマネジメントの重要性を訴えました。特に、以下のポイントが強調されました:
1.
データに基づく医師の貢献把握
医師の貢献を定量的・定性的に評価し、透明性を確保することが求められています。
2.
新入院患者数を軸にした業績マネジメント
新入院患者数を重要な指標として業績を評価し、医療機関の経営改善に寄与します。
3.
多職種360度評価による客観化と納得感の担保
多様な職種からの評価を取り入れ、医師の納得感を高める仕組みが必要です。
4.
マネージャー医師の役割明確化
診療科長などのマネージャー医師の役割を明確にし、責任の所在をはっきりさせます。
5.
BSCを活用した行動評価・目標管理
バランス・スコアカードを利用して評価基準を設定し、目標に向けた行動管理を行います。
聴講者の反応
ランチョンセミナーという休息時間にもかかわらず、聴講者は非常に集中して参加し、講演後には質疑応答や個別相談、名刺交換などが活発に行われました。参加者からは、医師マネジメントに関する多くの関心が寄せられており、今後の医療業界での実践に対する期待が見受けられました。
登壇者プロフィール
セミナーの座長は、公益社団法人日本海員掖済会 名古屋掖済会病院の事務部長である荒川智貴氏が務めました。荒川氏は、名古屋掖済会病院での幅広いマネジメント経験を活かして、医師マネジメントの必要性を強く訴えました。
太田氏は、医事課を経て日本経営に入社し、医師マネジメント分野を専門に活動しています。彼の豊富な経験は、業界の現状に仮想する上で貴重な情報源となっています。
今後の展開
日本経営では、医師マネジメントや人事制度の構築、診療科別分析などを通じて、医療機関の経営改善と質の向上に向けた支援を強化する方針です。このような取り組みを通じて、医療の質を揺るがすことなく、地域医療の発展に資する活動を続けていく予定です。
最後に、医療業界における新たな挑戦として、今後も医師マネジメントの重要性が一層注目されることでしょう。参加者が得た知識を基に、地域医療の質を向上させるための一助となることを期待しています。