暗号資産犯罪の最新動向を知る
最近、チェイナリシスが発表した「2022 Crypto Crime Report」の日本語版が注目を集めています。この報告書では、暗号資産を利用した犯罪の最新情報や傾向がわかりやすくまとめられています。特に以下のトピックが話題となっています。
1. ランサムウェアの脅威
近年、ランサムウェア攻撃は増加しており、企業や個人に対して深刻な脅威となっています。攻撃者は暗号資産を要求し、被害者のデータを人質にする手口が一般化しています。この報告書は、具体的なランサムウェアの事例を取り上げ、犯罪者の活動を深く掘り下げています。
2. DeFiプロトコルにおける増加する犯罪
分散型金融(DeFi)の広がりとともに、これに関連する犯罪も増加しています。マネーロンダリングや不正アクセスなど、DeFiプロトコルを利用したさまざまな犯罪が日々報道されています。本報告書では、特に注目すべき事例を挙げ、どのようにこれらの犯罪が行われているのかを解説しています。
3. ならず者国家による制裁回避
北朝鮮などの国々が、どのようにして暗号資産を利用して国際制裁を回避しているのかという点も重要なテーマです。暗号資産は、国境を越えた取引が容易であるため、国家が監視しきれないリスクが存在。この報告書では、その手法や影響について説明されています。
4. 法執行機関の能力向上
最近、法執行機関の暗号資産に対する理解が深まってきており、犯罪者からの資産を押収する能力も向上しています。この報告書では、実際の成功事例を紹介しつつ、今後の課題についても言及しています。
暗号資産犯罪の全体的な動向
2021年のデータによると、暗号資産関連の犯罪は過去最高を記録しました。違法アドレスに流入した金額は140億ドルに達し、これは2020年の78億ドルから大幅に増加したことを示しています。一方で、全体の取引額が15兆8,000億ドルに達したため、違法取引の割合はかつてないほど低くなっています。このことは、暗号資産の健全な取引が広がっている証拠でもあります。
現在の状況に対する専門家的見解
チェイナリシス日本法人のカントリーマネージャーである山田陽介氏は、次のように述べています。
「暗号資産の利用が拡大する中、公共機関と民間企業が協力し、ユーザーの取引の安全性を確保しなければなりません。本報告書がその一助となり、法執行機関や規制当局が犯罪を回避し、調査に役立つことを願っています。」
報告書の入手方法
「2022 Crypto Crime Report」の日本語版は、以下のリンクからダウンロード可能です。
報告書はこちらから
チェイナリシスとは
チェイナリシスは、ブロックチェーンデータプラットフォームを提供する企業です。世界中の政府機関や金融機関に対して、データや分析サービスを提供し、サイバー犯罪の解決に寄与しています。その取り組みは、法律を遵守しながらも新たな経済的自由を促進するための不可欠な要素となっています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
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