新たなイノベーションの未来を切り開く
日本のイノベーション政策をリードするNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、6月1日に「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」と題した報告書を発表しました。この報告書は、国内外の市場や技術、政策の動向を幅広く調査し、日本が注力すべき新たな領域と取り組むべき12のフロンティア領域を特定しています。これにより、関係省庁や産業界、アカデミアに対してイノベーションの促進を狙った情報発信が行われることになります。
NEDOのイノベーション戦略センターの役割
NEDOのイノベーション戦略センター(TSC)は、2024年度からの活動において市場や技術の動向をカバーした分析をもとに、新しいフロンティア領域の提案を行っています。この活動は2025年度以降も継続され、新たに見いだされた領域の調査を重ね、イノベーション推進に向けた具体的な戦略が展開されることに期待が寄せられています。
TSCは、イノベーション・アクセラレーターとして革新技術の社会実装に向けた事業モデルの構築やルールの整備、社会の受容性の醸成を目指しています。これにより、社会課題の解決や新しい産業の創出が図られることでしょう。
フロンティア領域とその意義
今回の報告書では、技術(Technology)、機能(Function)、ミッション(Mission)の観点から、MFTロジックモデルを用いて分析が行われています。これにより、解決すべき社会課題を考慮し、技術と機能を組み合わせた新たなアプローチがFrameworkとして提示されています。
特に、新たに提案された12のフロンティア領域は、技術革新の可能性が大きいものの、投資のリスクや市場動向の不確実性を抱えています。これらの領域には、経済安全保障の観点や日本の強みを考慮した戦略が必要であるとされています。
今後のアクションプラン
NEDOは、今後のフロンティア領域の推進において、全体のマネジメントフローを明確にしていく計画です。具体的には、次の5つのステップが考えられています:
1.
全体俯瞰の実施: 提案したフロンティア領域に関する調査を行い、社会課題解決のためのアプローチを探る。
2.
広範な解決策の促進: 提案された領域に基づき、業界やアカデミアからの広い意見を収集し、研究課題を仮説として設定する。
3.
国家プロジェクトへの提案: 経済産業省に対して詳細な分析をもとに重点フロンティア領域を選定し、プロジェクトを実施する。
4.
フィジビリティスタディの実施: 提案した仮説の検証を行い、結果を基にピボットを行う。
5.
社会実装に向けた取り組みの推進: イノベーション戦略に基づきプロジェクトを組成し、実行に移す。
報告書の発表に続く7月1日からは、有望な研究開発テーマの提案を募集するRFIが開始され、NEDOサミットも予定されています。ここでの意見交換が、さらなるイノベーションの促進につながることが期待されています。
この「Innovation Outlook」は、次世代の技術分野での活用に向けた重要な情報源として、日本全体のディスカッションを呼び起こし、新たなイノベーションの潮流を生み出すことでしょう。