運送業界に新たな風を吹き込むAEGISAPP
株式会社イージスワンは、運送業向けのクラウドサービス「AEGISAPP運送業」に搭載した“遅延時間を考慮した運行日報自動作成ロジック”に関して、特許第7784098号「運行日報作成装置」を取得しました。これは運送業界における労務管理の新たな基準を定める重要なステップとなります。
特許の具体的な技術内容
この特許は、運送業にとって不可欠な「改善基準告示」への対応を強化するための日報自動生成技術を中心に構築されています。これにより、遅延要因を自動的に記録し、その影響を計算から除外する仕組みが確立されました。具体的には、以下の特徴があります。
- - 運転時間の自動算出:過去のデータを基に中央値を算出し、外れ値を除外することで「通常運転時間」を自動的に計算します。
- - 遅延要因の自動記録:災害、渋滞、事故、故障、フェリー欠航など、様々な遅延要因を自動的に記録し、法定の拘束時間や運転時間から除外して扱います。
- - 改善基準告示の自動判定:2日平均運転時間や24時間拘束時間を遅延除外後の値で再計算し、法令違反のリスクを大幅に低減させます。
- - 運行日報への自動反映:遅延情報やその算出根拠を日報に記載することで、労基署や荷主監査にも強く対応できるようになります。
この一連の処理が「運行日報作成装置」として包括的に特許化されたことが、今回の特許取得の大きな意義です。
背景と目的
運送業界では、2024年4月に予定されている改善基準告示の改正により、労働時間管理が一層厳格化されることが求められています。この現状において、予期せぬ遅延が生じた場合、その扱いについての課題が浮き彫りとなりました。そこで、AEGISAPP運送業は運送業界の現場に適した遅延管理の仕組みを構築し、業界をリードする独自技術として国から認められました。
このことにより、法令遵守経営の支援機能がさらに強化され、運送業者の負担軽減につながることが期待されています。
AEGISAPP運送業の機能
AEGISAPP運送業は、運送事業者向けのクラウド型ERP/TMSであり、さまざまな業務を一元管理しています。具体的には、受注から配車、運行計画の立案、自動日報生成、労務管理、原価管理、請求業務に至るまでを包括的にサポートしています。特に、法令判定ロジック(AEGISAPP CORE)が標準搭載されており、ドライバーごと、荷主ごと、車両ごとの原価管理を最適化します。経営判断に必要なKPIも自動生成され、業務効率が飛躍的に向上します。
代表取締役のコメント
代表取締役の鶴田由規夫氏は、”運送業の現場では、遅延が頻発し労務管理の例外処理が求められる。この現場の負担を軽減し、データを基にした法令遵守を支援する仕組みが不可欠だと考え、今回の技術を開発しました。今後も現場に寄り添った実用的なDXを追求していきます。”と述べています。この言葉が示すように、AEGISAPPは今後も運送業界の革新を追求し続けることでしょう。
会社概要
株式会社イージスワンは、東京都千代田区に本社を置く企業で、運送業向けのクラウドサービス開発や物流DX支援、AIシステムの開発を行っています。
この特許取得は、運送業界におけるデジタルトランスフォーメーションを加速させ、業界全体にポジティブな影響を与えることが期待されます。また、AEGISAPP運送業がもたらす革新は、今後の運送業界の基準を作り上げる重要な要素となるでしょう。