理想のCFO像を経営者が描く：求められる年収と必須スキルの分析

株式会社レックスアドバイザーズは、2024年7月から8月にかけて行った調査に基づき、CFO（最高財務責任者）に対する経営者の意識についてデータをまとめました。この調査は全国の1031名以上の経営者を対象に実施され、彼らが求めるCFO像や年収、スキルに関する具体的な数字が明らかとなりました。

調査背景と目的

CFOという役職は、現在の企業経営の中で重要性がますます増しています。特に、会社経営者にとってCFOは経営チームの中心となり、多岐にわたるスキルや知識を求められるポジションとなっています。そこで、経営者が理想とするCFOの特徴を具体的に把握するため、この調査が行われました。

理想のCFOに求められる年収

調査によると、理想とするCFOに提示できる年収の上限は平均で1,811万円です。特に、従業員が1,000人以上の大企業では、この金額がさらに上昇し、平均3,180万円に達することが明らかになりました。経営者は高いスキルと経験を持つCFOを求め、その対価としてこれだけの額を提示しようとしています。

経営者が求めるスキルセット

調査では、CFOに求められるスキルが明確に示されています。全体の結果として、以下のスキルが上位にランクインしました：
1. 財務戦略スキル
2. 経営管理スキル
3. 資金調達スキル
4. 経営改革スキル
5. 事業戦略スキル

さらに、従業員数が1,000人以上の企業においては「事業戦略スキル」や「内部統制・リスクマネジメントスキル」に対するニーズが特に高まっています。大企業は、CFOに多様な視点でのリーダーシップを求める傾向が強く、攻めの姿勢と守りの姿勢の両方が不可欠であることがわかります。

事業拡大期におけるCFOの重責

この調査では、企業が事業拡大に直面した際に、CFOに要求される能力も変化することが示されています。事業拡大期において、経営者は特に「財務戦略スキル」や「資金調達スキル」に重きを置くようです。中小企業においては、従業員数が50人未満の企業では「資金調達スキル」が最も重視される傾向にあります。

CFOに期待する経歴

経営者が望むCFOの経歴についても調査されました。最も求められる経歴は「公認会計士」で、次いで「上場企業のCFO経験者」が続きます。特に、銀行出身の人材も高く評価されており、資本市場に関する知識や経験が重視されています。

CFOの登用における課題

調査の中で、「CFOの採用で失敗した経験がある」と答えた経営者は全体で27%を超えました。特に、大企業の経営者ではこの割合が47%に達しており、理想のCFOを見つける難しさが浮き彫りになっています。

結論

経営者が求めるCFOの像は、財務だけでなく経営全体を見渡せる能力が求められています。特に攻めの姿勢を持ったCFOが望まれる一方で、高い年収の提示がそれを裏付けていることは明らかです。企業の実情に応じた適切なCFOの選定が、今後の経営には不可欠になってくることでしょう。

この調査結果は、企業におけるCFOの役割を再認識させ、どのようなスキルセットが求められるのかを示す重要な材料となります。