生成AIと専門職が手を組む新たな子育て相談サービス
2024年11月1日、認定NPO法人フローレンスが新たなサービス「いまきくイヌAI(あい)ちゃん」を開始します。このサービスは、生成AIと専門職スタッフが連携し、24時間体制で子育て家庭に寄り添うハイブリッド型SNS相談を提供する画期的な試みです。フローレンスは、児童虐待防止キャンペーンの一環として、このサービスを立ち上げました。
サービスの概要
「いまきくイヌAIちゃん」は、安らぎと支援を必要とする子育て家庭を対象としています。利用者が抱える悩みや不安に対し、犬のキャラクターAI(あい)ちゃんが会話を通じて傾聴し、必要に応じて専門職の心理士や社会福祉士、保健師が対応します。この新しい支援方法は、専門的な知識を持つスタッフとAIが連携し、相談者が求めている答えを見つけやすくなることを目指しています。そして、相談はすべて無料で、匿名で行うことができます。これにより、相談へのハードルを下げ、より側近にいる支援が促進されることが期待されます。
対応時間と方法
フローレンスが提供するこのサービスは、AIによる傾聴が24時間対応可能ですが、専門職によるサポートは平日の9時から18時までという時間制限があります。ユーザーは「友だち追加」ボタンをクリックすることで、AIとの対話を開始できます。
傾聴型AIの効果
フローレンスによると、2024年4月に行われたトライアルで、このAIサービスへの満足度は70%を超えました。特に「話しやすく、共感してくれる」といったポジティブなフィードバックが多く寄せられ、AIが利用者の感情を受け止める「聞く力」が非常に高く評価されています。夜間帯の利用が多かったことも分かっており、従来の行政機関が提供できない時間帯に必要な支援が求められていることが伺えます。
相談のハードルを下げる取り組み
多くの親たちが相談をためらう背景には、生活の困難さや周囲からの偏見が存在します。フローレンスは、このハードルを下げるために、AIを利用した柔軟なコミュニケーションの場を提供しています。「おやこよりそいチャット」などの既存サービスを通じて、必要な情報を得ることができる平易な関係性を築くことができます。トライアルの結果、AIとのコミュニケーションが進むことで、専門職に接続するハードルが大きく下げられることも分かりました。これにより、85%の相談にAIが応じることができ、専門職はより複雑な問題に集中できる環境が整います。
地域連携の重要性
フローレンスは、自治体との連携を強化し、この新しい相談モデルを広めていく考えです。自治体は「出産・子育て応援交付金」などを活用し、協力して支援の輪を広げることが可能です。このような取り組みを通じて、フローレンスは虐待防止の観点からも大きな役割を果たしています。
フローレンスの理念
フローレンスは「こどもたちのために日本を変える」をモットーに、子どもと子育てに関わる問題を解決するための活動をしている国内最大規模の認定NPO法人です。彼らは多様な保育事業の運営に加え、子どもの救済や親子支援に向けた様々な福祉事業を推進しています。今後もこの新しい相談モデルを通じて、子育て家庭を支援し続けることでしょう。
詳しくは、サービス紹介ページをご覧ください:
いまきくイヌAIちゃん