フォントがつむぐ、共生社会への道:シブヤフォント誕生秘話から最新活動まで
「シブヤフォント」は、渋谷区公認のフォントとして、地域で暮らし働く障がいのある人々と、渋谷の学生たちによる共創によって誕生しました。その背景には、デザイナーであり、一般社団法人シブヤフォント共同代表の磯村歩氏の熱い思いがありました。
磯村氏は、2016年度の渋谷みやげ開発プロジェクトを通じて、障がい者支援事業所と専門学校桑沢デザイン研究所の学生たちと出会い、「シブヤフォント」の構想を練り始めました。これは単なるフォント開発ではなく、デザインと福祉が融合した、新しい社会モデルを創り出す挑戦でした。
シブヤフォントは、単にデザインとして美しいだけでなく、その背後にある共創の精神が、多くの人の心を掴みました。グッドデザイン賞やiFデザインアワードなど、国内外で10もの賞を受賞し、その取り組みは高く評価されています。
学生と障がい者、それぞれの成長と変化
シブヤフォントのプロジェクトは、学生と障がいのある人、両者にとって貴重な経験となっています。学生は、障がいのある人との協働を通じて、多様な視点を持つことの大切さを学び、デザインの社会的な役割を深く理解します。一方、障がいのある人たちは、自分の能力を生かして社会に貢献できる喜びを感じ、自信と生きがいを見出すことができます。
社会への波及効果:シブヤから全国へ
シブヤフォントは、渋谷区にとどまらず、全国にその輪を広げています。2021年には一般社団法人化し、さらなる活動の幅を広げました。今では、企業や自治体とのコラボレーション、ワークショップや講演会など、様々な活動を通じて、インクルーシブな社会の実現に向けて邁進しています。
フォントがつむぐ、未来への希望
シブヤフォントは、単なるフォントを超えて、デザインと福祉が融合した、新しい社会モデルを提示しています。その取り組みは、障がいのある人だけでなく、すべての人が自分らしく生きられる社会の実現に向けて、大きな希望を与えてくれるでしょう。
thinc Journal:地域を活性化するクリエイティブな力
この記事は、クリエイターのための情報発信メディア「thinc Journal」にて、磯村歩氏へのインタビューをもとに作成されました。thinc Journalは、地域課題の解決や活性化に取り組むクリエイターやクリエイティブな活動を発信することで、全国のフリーランスクリエイターのキャリア形成を支援しています。地域に根ざしたクリエイティブの力によって、より豊かな社会が築かれることを目指しています。