富士フイルム、新たなMRI技術を紹介するTVCM放映開始

富士フイルムが切り拓く新たな医療の未来

富士フイルム株式会社が、力強いメッセージ性をもった企業広告シリーズ「世界は、ひとつずつ変えることができる。」の最新のテレビCM「ゼロヘリウムMRI技術」篇を3月20日より全国で放映開始しました。このCMでは、液体ヘリウムを一切使用せずに超伝導状態を維持する革新的なMRI技術が紹介されています。

MRIの基本構造と課題

MRIシステムは、人体の内部構造を高精度で画像化するための重要な医療機器です。このシステムでは、強力な磁石を用いて、体内の臓器を断面画像として鮮明に描き出します。しかし、使用される超伝導型MRIの多くは、磁石をマイナス269℃の超低温に保つために大量の液体ヘリウムが必要です。

この液体ヘリウムは、MRI一台あたり1,000〜1,500リットルが必要とされ、言わば「お風呂5杯分」相当。供給が安定しないこの貴重な資源が、医療現場にとって大きな課題となっています。

ゼロヘリウムMRI技術の革新

新たに開発された「ゼロヘリウム超電導MRI技術」は、この課題を根本から解決します。この技術により、液体ヘリウムを使用せずに磁石を超低温状態に保つことが可能となります。富士フイルムの最新技術は、今後の医療におけるMRIシステムの稼働を全く新しいものへと変革するものです。

ヘリウムの貴重性と医療技術の進化

液体ヘリウムは、医療だけでなく半導体や航空宇宙分野でも需要が高まっており、世界的に手に入りにくくなっています。過去にはヘリウムを使用した風船が製造自粛されるなど、供給不足が現実のものとして表面化しています。富士フイルムのこの新技術によって、貴重なヘリウム資源の消費を抑えつつ、超電導型MRIを効率的に利用できる未来が描かれています。