博報堂DYホールディングスがKDD 2026で口頭発表
株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区)が、データマイニングの国際会議「KDD 2026」において、主著論文の口頭発表が採択されたことを発表しました。これは、企業が行った研究が国際的に評価された大きな成果といえるでしょう。
KDD 2026とは?
KDD(ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining)は、データマイニングや知識発見に関する世界トップクラスの国際会議です。この会議は、研究者たちが最新の研究成果や技術について議論し合う場であり、業界の最前線を知るための絶好の機会とされています。KDD 2026は2026年8月9日から13日まで、韓国済州島のInternational Convention Center Jejuで開催されます。
採択された論文は、博報堂DYホールディングスが運営するHuman-Centered AI Instituteの小西宏樹、牛久雅崇、コーネル大学の齋藤優太が著者となっている「A More Accurate Algorithm Comparison through A/B Testing using Offline Evaluation Methods」です。
論文内容の概要
本論文では、推薦システムやデジタル広告など、多くのオンラインサービスにおけるアルゴリズムの性能評価について探求しています。具体的には、ユーザの特性に基づいて最適なアクションを選択する際、どの手法がより良いかを正確に判断することが課題となっています。特にA/Bテストが一般的な手法とされていますが、その実施にはユーザ体験やコストの面で大きなリスクが伴います。
そのため、過去のデータをもとにアルゴリズムの性能を推定するオフライン評価が注目されています。しかし、これまでの認識では、オフライン評価はA/Bテストに比べ精度が劣るとされてきました。著者らはこの認識を覆す研究を行い、A/Bテストとオフライン評価を組み合わせた新たな手法を提案しました。
提案手法では、A/Bテストの枠組み内で仮想的な中間アルゴリズムを置き、その性能差をオフライン評価で推定し合算することで、より正確なアルゴリズム評価を実現します。実験の結果、提案した手法はA/Bテスト及び従来のオフライン評価手法よりも一貫して低い判定誤り率を達成し、必要なデータ量も大幅に減少させることが示されました。
今後の展望
博報堂DYホールディングスは、この研究を通じて、A/Bテストとオフライン評価を融合させる新しい推定法の重要性を示しました。これにより、Webマーケティングやその他の意思決定シーンにおいて、少ないデータで魅力的なアルゴリズムを選定する可能性が広がります。
今後も、博報堂DYグループではAIに関する研究と開発を推進し、さまざまな次世代のAIソリューションに挑戦していく計画です。HCAI Professionalsの活動を通じて、さらなる革新が期待されます。