心臓病は一般的に高齢者向けの問題として捉えられることが多いですが、中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)は、これまでの常識とは真逆の現象を持っています。この病は日本において発見されたもので、依然として原因不明、そして治療法も確立されていません。現在、我が国の140以上の医療機関においてTGCVの診断が行われており、2024年10月の時点で991例が確認されています。残念なことに、その中には145名の方が命を落としており、疾患自体がまだ多くの人に知られていない現状です。
特に注目すべきは、TGCVが女性に多く見られるという傾向です。一般的に、女性は心血管病に対するリスクが低いとされていますが、TGCVにおいては話が違います。閉経前の女性が難治性の狭心症や心肺停止による救急搬送を経てTGCVと診断されるケースが増加しています。この事実は、女性に特有の発症リスクが潜在していることを示唆しています。
このような背景から、TGCVに関する理解を深めるため、特に女性を対象としたシンポジウム「女性とTGCV」を開催します。このシンポジウムでは、実際にTGCVを抱える患者様のお話を伺い、どのように発症に至ったのか、その症状はどのようなものであったのかを語っていただきます。
また、TGCV研究班に所属する医師の講演も行われ、診断の経緯や病態について詳しく説明される予定です。
本シンポジウムは、一般社団法人中性脂肪学会が主催する第7回学術集会の一環として行われ、詳細は以下の通りです。
- - 日時: 2024年10月19日(土曜日) 9:00~18:00
- - 場所: WEBライブ配信
- - 参加費: 無料(事前参加申込制)
- - テーマ: コレステロールから中性脂肪へ!-心血管病治療のパラダイムシフトを我が国から発信する-
- - 大会長: 平野 賢一(大阪大学大学院医学系研究科 中性脂肪学共同研究講座)
また、学術集会および本シンポジウムへの参加は無料ですが、事前参加登録が必要です。参加希望の方は、指定のリンクからお申し込みをお願いいたします。
この機会に、TGCVについての理解を深め、疾患の早期発見を促すための情報交換が出来ればと思っています。
主催: 一般社団法人中性脂肪学会
URL:
中性脂肪学会公式サイト