ネット通販の王者アマゾン、その強さの秘密は?楽天との比較から見えてくる消費者行動

ネット通販市場におけるアマゾンと楽天の比較分析



近年、急成長を続ける日本のネット通販市場。その中でも、アマゾンと楽天は双璧をなす存在として知られています。しかし、両社の強みは一体どこにあるのでしょうか?

株式会社カンター・ジャパンは、消費者のインターネット上の行動履歴を分析した興味深い調査結果を発表しました。2012年7月~8月、約6700人のインターネット利用者を対象に、パソコンからの行動履歴を1ヶ月間追跡。その結果、楽天とアマゾンのウェブサイトへの訪問率、そして購買率に大きな違いが見られました。

集客力では楽天が優勢、購買効率ではアマゾンが圧勝



調査によると、楽天のウェブサイトを訪問した人の割合は約90%、アマゾンは約70%。集客力においては、楽天がアマゾンを大きくリードしていることが明らかになりました。

しかし、購買率となると状況は一変します。楽天のウェブサイトを訪問した人のうち、実際に商品を購入した割合は約5%だったのに対し、アマゾンは約20%。なんと4倍もの開きがあります。購入に至った回数でも、楽天は約600回、アマゾンは約2400回と、アマゾンが圧倒的な差をつけています。

楽天で検索し、アマゾンで購入する消費行動



さらに、調査では興味深い消費行動パターンが発見されました。アマゾンで購入する消費者の約10%が、購入前に楽天で商品を検索していたのです。一方、楽天で購入する消費者のうち、アマゾンで商品を検索した人はわずか2%でした。

この結果から、多くの消費者が比較検討のために楽天を利用し、最終的な購入はアマゾンで行うという傾向が見て取れます。楽天の高い集客力を利用し、アマゾンの高い購買効率に繋がるという、両社の共存関係ともいえる状況が浮き彫りになりました。

消費者の行動特性を踏まえたマーケティング戦略



今回の調査は試験的なものであり、より精度の高いデータを得るためには、追跡期間やサンプル数の増加が必要となるでしょう。しかし、この調査結果から、消費者の行動特性を深く理解し、効果的なマーケティング戦略を策定するための重要な示唆を得ることができました。

カンター・ジャパンは、今後も継続的な調査を行い、得られた知見を積極的に発信していく予定です。ネット通販業界の動向を注視し、今後の展開に注目しましょう。

その他のネット通販市場の動き



調査結果発表と同時期には、ヤフーとアスクルによる食品・日用品ECサイト「ロハコ」の開始や、リクルートによる2013年3月からのネット通販事業参入発表など、市場の活性化を示す動きが相次いでいました。

これらの動きも踏まえ、今後のネット通販市場におけるアマゾンと楽天の競争、そして新たなプレイヤーの台頭が、ますます注目されます。

株式会社カンター・ジャパンについて



50年以上の歴史を持つ市場調査会社であるカンター・ジャパンは、グローバルなネットワークと豊富な経験を活かし、多角的な視点から市場調査を行っています。今後も、消費者の行動を深く理解することで、企業のマーケティング戦略に貢献していくことでしょう。

会社情報

会社名
株式会社カンター・ジャパン
住所
東京都渋谷区代々木2-1-1新宿マインズタワー6階、7階
電話番号

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