大阪のサインメーカーがミラノで示した革新
2026年4月、日本のサイン製作の名門である株式会社ダイカンと、革新的な3D造形デザインブランド130(ONE THIRTY)は、ミラノデザインウィークに初出展しました。彼らが目指したのは、「液体に見える金属」という新たな視覚体験を提供することです。この展示は、フォーリサローネの中心地、ブレラ地区の「Palermo 18」で行われました。
初出展の背景と重要性
ダイカンは1964年の創業以来、ラグジュアリーブランドや商業施設のサイン制作を中心に成長してきました。今回のミラノ出展は、彼らが長年培ってきた技術を新たな体験へと広げる試みとして意義深いものでした。ダイカンと130は、何世代にもわたって培ってきた精密加工技術を駆使し、「FLUX METAL」という新素材と、そこから生まれるインスタレーション「Return to… — The Beauty of Resilience」を発表しました。
新素材「FLUX METAL」の魅力
「FLUX METAL」は、特殊金属素材の断面を鏡面研磨することで、光の角度によって様々な表情を見せる、新しい金属表現です。とろりとした液体のような揺らぎを持ち、見る人の目を引きつけます。これは単なる機械加工では実現できず、DAIKANの熟練職人によるミクロン単位の手仕事を必要とします。このような技術と感性が結びつくことで初めて成り立つ素材表現なのです。
インスタレーション「Return to…」の内容
インスタレーション「Return to…」では、《FLUX TABLE》を中心に配置し、光、素材、香り、触感を巻き込んだ体験が展開されました。天板には「FLUX METAL」を使い、130が設計した彫刻的なベースが組み合わさっています。独特な3D造形技術により創出されたこの構造体は、ダイカンの素材技術と一体となり、ひとつの作品を形成しています。
会場では、触覚・嗅覚・味覚をテーマにした体験も用意され、訪れる人々は、金平糖を使った味覚体験やオリジナルフレグランスを楽しむことができました。
担当者の想い
ダイカンの代表取締役社長、仁義 修は、「サイン製作という領域は、ただの情報伝達ではなく、企業や空間の価値を表現する手段である」と語ります。今回の展示を通じて、サインの領域を超えた五感体験の提供に挑戦したことに大きな意義を感じています。
130のCTOである加藤 大直は、「揺らぎ」と「揺るがないもの」の融合を通じて、ダイカンの技術を世界へ発信できたことを誇らしく思っています。
今後の展望
今回のミラノ出展は、ダイカンが金属加工や表面処理の知見を活かした空間体験の実験的な試みでした。今後は、素材、光、空間の関係性を探りながら新たな表現の可能性を模索していく方針です。
関連イベントのお知らせ
本展示は、2026年6月3日に東京で開催される「Milano Design Meeting 2026」にも紹介される予定です。さらに、展示内容は9月と10月に大阪と東京で行われるデザインウィークでも紹介される予定であり、多くの人々へと感動を届けていきます。
開催情報
ダイカンや130の技術力、クリエイティビティが、国内外でこれからどのように展開されていくのか、非常に楽しみです。