震災から生まれた東北農家支援の新たな広告戦略とは

震災から生まれた新たな広告戦略

東日本大震災が起きた年、福島県の農家は原発事故の影響を受け、農産物の販売が大幅に減少しました。この課題を解決すべく立ち上がったのが、株式会社東北ECグローバルです。創業者の大松哲鎬氏は、震災を経験した故郷の農家のために尽力することを決意しました。その結果、通信販売を通じて東北の美味しい食品を全国に届ける事業が始まったのです。

理想の企業理念の実現

大松氏は「東北の素晴らしいものを世界へ」という企業理念を掲げています。この使命感は、彼自身が子供の頃から感じていた東北の食材の素晴らしさを、多くの人々に知ってもらいたいという願いから来ています。特に、地元の農家が愛情込めて栽培した食品の美味しさを、日本全国、さらには世界に発信することで、多くの人々を笑顔にしたいと考えています。

苦しみと成長の道のり

創業当初、大松氏たちには農業の経験がほぼ無く、農作物の知識も乏しい状態でした。そのため、仕入れの確保や出荷システムの構築が苦難の連続でした。また、広告の費用対効果やリピート率の低さも大きな課題でした。初めは、新聞広告や楽天市場への出品が主な販路でしたが、注文がなかなか入らず、広告費ばかりがかさんでいくばかりでした。

新たな広告手法との出会い

そんな中、創業時からのコンサルタントの薦めで、成果報酬型の広告システム「インターペーパー」を導入しました。この新しい広告手法は、広告が効果を生まなければ費用が発生しないため、リスクを抑えて新たな挑戦ができるものでした。これにより、地方新聞に広告を出稿した際には、驚くほどの注文が舞い込み、顧客の獲得が成功したのです。

急成長の成果と今後の展望

導入から3年間で、約11,000人の新規顧客を獲得。また、リピート率も10%から25%へと飛躍的に向上し、多くのファン顧客を持つようになりました。特に、「訳あり蜜入りサンフジりんご」は人気商品として売上の70%を占めています。全国からの注文も増え、東北の食品を求める顧客が増えています。

今後は、夏のさくらんぼや桃、さらにはテレビ広告など新たな販路の拡大を目指しています。東北が誇る美味しさをより多くの人々に届け続けるため、さらなる成長を図っていくでしょう。