AIによる公共水道インフラの老朽化診断実証実験
2023年5月22日、Solvvy株式会社とその研究機関「Solvvy LAB.」は、株式会社ハイクリと協力し、公共水道インフラの老朽化診断に関する実証実験を開始しました。この取り組みの背景には、今年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管が原因とみられる大規模な道路陥没がありました。この事件を受け、国は専門家による委員会を設置し、全国の下水道管に関する一斉調査を行うことを決定しました。
調査の必要性
老朽化した水道インフラの問題は、全国各地で顕在化しています。この調査では各地方自治体が実施にあたることが求められ、その負担は非常に大きいとされています。調査手法としては、空洞の有無を確認する技術や超音波を用いた非破壊検査の活用が検討されていますが、実際にそれを行うには、各地方自治体の能力や資金に限界があるため、効率的な管理方法の確立が急務とされています。
新たな技術の導入
今回の実証実験では、ハイクリが開発したAI故障予測モデルを活用します。このモデルは、公共水道インフラの老朽化診断に特化しており、過去の故障データや管路接続関係、さらに環境要因を考慮することで高精度な予測を実現します。特に、限定されたデータの中でも、これらの条件を考慮することで信頼性の高い結果が期待できます。
Solvvyや地方自治体が保有するデータとの組み合わせにより、地方自治体の労働力不足を解消しつつ、効果的なメンテナンス管理の実現を目指します。
目指す未来
実証実験を通じて、Solvvyは将来的に住宅の水道設備に対する故障予知モデルの導入も視野に入れています。これにより、住宅水道設備の長寿命化や新たなメンテナンスモデルの確立を図る考えです。AIやDeepTechの可能性を最大限に引き出し、ストックビジネスコンサルティングの進化も目指しています。
会社概要
Solvvy株式会社
- - 本社:東京都新宿区西新宿4-33-4
- - 設立:2009年3月
- - 代表者:安達慶高
- - 事業内容:様々なテクノロジー領域での事業展開
株式会社ハイクリ
- - 本社:東京都中野区中央4-4-2
- - 設立:2024年5月
- - 代表者:兼松洋輔
- - 事業内容:AIシステムの開発および研修
この実証実験は、公共水道インフラの管理における大きな転換点となることが期待されており、今後の展開から目が離せません。