Koeeruが新たに観光CRMソリューションを発表
観光業界の活性化が進む中、株式会社Koeeru(本社: 神奈川県鎌倉市)は、自社開発のカスタマーデータプラットフォーム「Koeeru CDP」を基にした観光CRMソリューションを正式に発表しました。この新たなソリューションは、2025年3月19日に愛知県で開催される「AICHI Innovation Challenge」にて展示され、地域の観光関係者に向けて具体的な導入事例が紹介される予定です。
ソリューション開発の背景
近年、日本国内およびインバウンドの観光市場が活性化しており、自治体や観光事業者は観光地の顧客データを一元管理する「観光CRM」の導入に注目しています。しかし、以下のような課題が多くの導入検討者にとっての障壁となっています。
1.
観光客データの分散と活用の非効率性:観光地に集まる顧客データが断片化しているため、統合作業に多大な時間とコストがかかり、迅速な施策実行が困難です。
2.
導入時の予算と体制の不足:多くの自治体や観光事業者は予算とデータ活用のノウハウが不足し、具体的な効果が見込まれない状況での準備が難しくなっています。
3.
運用の継続性と全体浸透の欠如:CRM導入後、データの活用が一部の担当者に偏り、組織全体での浸透が進まないという問題があります。特に、運用にかかるランニングコストを補う「データマネタイズ」の仕組みが欠如しているのも課題です。
Koeeruの観光CRMソリューションの特徴
Koeeruは、観光業界のこれらの課題を解決するために、自治体や観光事業者と共同で観光CRMソリューションの開発を進めてきました。本ソリューションの主な特徴は以下の通りです。
1. Koeeru CDPを活用したデータの収集・分析・活用
- - データ収集: 世界150カ国以上の消費者データを収集し、ターゲット市場のニーズを把握する仕組みを整えています。地域事業者同士が協力して観光客からリアルタイムでデータを収集する「地域共創CX」や、地域ファンを対象にしたアンケートを通じてデータを集める「ファンコミュニティ形成」などが含まれています。
- - データ分析: 宿泊データやふるさと納税データと連携し、観光客の情報を一元管理します。観光客IDを用いることで、すべてのデータを統合し、分析しやすくします。
- - データ活用: 観光客のニーズや行動トレンドを可視化する「CXダッシュボード」を提供し、訪問者ごとに最適化された情報をSNSやメールでダイレクトマーケティングします。データを活用したターゲティング広告も提案し、効果的な集客を支援します。また、データマネタイズの仕組みを通じて新たな収益源も創出します。
2. システムと伴走型支援体制
KoeeruのCRMソリューションは、システム提供だけに留まらず、運用までの全プロセスを支援します。デザイン支援やシステム運用支援を通じて、関係者が効果的にデータを活用できるようサポートします。特に、得られたデータをどのように施策につなげるかに関するノウハウも提供します。
3. デザイン思考に基づく観光CRMの進化
このソリューションは、地域ごとの独自のニーズに応じた導入プロセスを重視しており、現状分析から要件定義、プロトタイプの構築まで一貫して行います。運用サイクルの確立や実績をもとにしたアジャイルな改善も推進していきます。
課題別の観光CRM取り組み
Koeeruが提供する観光CRMは、主に観光客のニーズリサーチ、地域ファン育成、パーソナライズドマーケティングにフォーカスを当てています。地域が一体となることで、観光客の声を収集し、未充足のニーズに対して的確に応える情報発信が実現します。
AICHI Innovation Challengeでの展示
Koeeruの観光CRMソリューションは、「AICHI Innovation Challenge」での展示を通じて広く紹介される予定です。このイベントは、愛知県が主催し、新しいビジネスモデルや観光戦略を共有する場となります。参加希望者は、事前に登録が必要ですが、参加費は無料です。
参加対象は、オープンイノベーションやスタートアップとの事業共創に興味のある方々で、地域のエコシステム形成に対応した多様な方に向けた良い機会です。
Koeeruは、視点を変えた観光業のデータ化とその活用による新たな可能性を追求しており、今後の展開に期待が寄せられています。