飯豊町とクラッソーネが空き家対策で連携協定を締結
2023年の秋、山形県飯豊町と解体工事DXプラットフォームを運営する株式会社クラッソーネが新たに連携協定を結びました。この協定は、全国的に広がる空き家問題への対策を目的としており、飯豊町の地域社会をより安全で安心できる環境にする取り組みとなります。
空き家問題の現状
近年、全国各地で空き家の増加が社会的な課題として取り沙汰されており、総務省が発表した2023年の住宅・土地統計調査によれば、日本国内の空き家数は900万件、空き家率は過去最高の13.8%に達しています。山形県内でも状況は厳しく、飯豊町では271件の空き家が確認されており、このままでは地域社会にさらなる影響が及ぶ危険があります。
飯豊町はこれを受け、空き家の利活用促進や不良空き家への対策を進めるため、平成31年に策定された空家等対策計画をもとに、様々な施策を展開してきました。しかし、その努力にもかかわらず、空き家の所有者に対する意識の向上が求められている状況です。
クラッソーネの役割
株式会社クラッソーネは、解体工事領域で全国2000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービス「クラッソーネ」を運営しています。これまでに累計15万件以上の利用実績があり、空き家対策に関する施策でも豊富な成果を上げてきました。特に、解体費用のシミュレーションや公民連携による施策は、国土交通省のモデル事業にも採択されています。
今回の連携協定では、クラッソーネのノウハウと技術を駆使し、飯豊町内の空き家に対する適正な管理を進めることが期待されています。具体的には、以下のような取り組みが予定されています:
- - 解体費用や土地売却価格の概算を提示する「すまいの終活ナビ」の導入
- - 空き家情報をもとにした「空き家価値査定シート」の提供
- - 空き家所有者への解体手続きについての周知を行うフライヤー配布
- - 町民からの相談対応を強化し、クラッソーネのサービスを活用
地域のメリット
この協定により、飯豊町の空き家所有者にとっては、解体費用や管理コストについての具体的な情報を得ることができ、自主的な解体を促進するチャンスが生まれます。また、空き家を解体することで土地の利用価値が向上し、地域経済の活性化にも寄与するでしょう。
飯豊町の町長嵐正人氏は、「空き家が適切に管理されることが重要で、この連携により所有者の意識が高まり、自主的な解体が進むことを期待しています」と述べています。
今後の展望
空き家問題は単なる建物の問題に留まらず、地域の治安や美観、住みよい環境づくりにも深く関わっています。飯豊町とクラッソーネの連携によって、空き家の除却が進むことで、地域全体が活気を取り戻すことが期待されます。IT技術を駆使した新たな取り組みの数々が、今後どれほどの効果をもたらすのか、今からその成果が待ち遠しい限りです。