ヤマハとテックタッチの戦略的提携
2023年、ヤマハ株式会社が、経費精算および人事システムに「テックタッチ」を導入しました。これは、ITの力を借りて業務をデジタル化し、効率化を図るための重要な一歩です。テックタッチのプロバイダーであるテックタッチ株式会社は、AI型のデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)を提供し、すでに多くの企業や官公庁に採用されています。
DAP導入の背景
ヤマハは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、全社的に業務改革を進めています。ヤマハのDX戦略の核となる考え方は、「Transformation by Digital」で、顧客のニーズに応じた業務プロセスの変革を目指しています。業務を五つの領域に分類し、それぞれに対してデータやシステム、業務プロセスの整理を進めています。
その中で、以前から運用していた経費精算システムにおいて、約90%の社員が操作方法に戸惑い、多くの問い合わせや誤入力が発生していました。社内アンケートの結果、使いにくさが課題であることが明らかになりました。
導入の決め手
他社のDADPとの比較検討を行う中で、テックタッチが持つ柔軟性に注目が集まりました。特に、入力に迷うポイントにノーコードでガイドを設置できる機能が評価され、技術的な知識がない社員でも簡単に使用できる点が大きな決め手となりました。
活用効果と今後の展開
テックタッチの導入後、ヤマハでは顕著な業務改善が見られました。操作ガイドの認知度が高まり、問い合わせや差し戻し対応の件数は月平均で30%減少しました。さらに、入力に迷う時間も12%削減され、業務効率が大幅に向上しています。この成功を受けて、ヤマハでは経費精算システムだけでなく、統合人事システムへの適用拡大も検討が進められています。
ヤマハの企業理念と事業展開
ヤマハは「感動を・ともに・創る」を企業理念としており、音楽や音を通じて人々の生活を豊かにすることを目指しています。楽器業界では、アコースティック楽器や電子楽器の製造・販売を行い、双方の技術を融合させたハイブリッド商品の開発にも注力しています。世界中でトップシェアを誇る総合楽器メーカーとして、強い販売網とサービス体制を持っています。
テックタッチの特長と成果
テックタッチ株式会社が開発したデジタルアダプションプラットフォームは、簡単に操作ガイドを作成・実装できることが大きな特長です。これにより、システム担当者やユーザーの負担を軽減し、業務におけるIT活用を自然にサポートします。また、グッドデザイン賞を受賞するなど、そのデザイン性と使いやすさも評価されています。このように、企業のIT導入を成功させるための強力なツールとして、今後もその活用が期待されています。