兵庫県が先駆的に取り組むふるさと納税プロジェクトでは、地域の魅力を若者の手で形にする新しい試みが始まりました。その中心は、神戸松蔭大学の学生たちです。彼らは、地元企業であるカワノ株式会社と連携し、地域の特産品を活かした返礼品の開発に挑戦しています。このプロジェクトが掲げる目標は、ただ物を作るだけでなく、地域の活性化や若者の地域貢献意識の向上にもつなげることです。
プロジェクトの背景
兵庫県は、近年ふるさと納税を活用して地域振興を図る取り組みを強化しています。そして今、神戸松蔭大学と地元企業が手を組み、若者が主体となる形で新たな返礼品を開発することを決定しました。このプロジェクトは、学生がマーケティング、デザイン、プロモーションなどのすべての過程に深く関与し、自己のクリエイティビティを発揮する場となることを目的としています。
レディースシューズをテーマに
最初のテーマは「レディースシューズ」です。地元に根付いた老舗婦人靴メーカーであるカワノ株式会社とのコラボレーションにより、学生たちは地元の特性を反映したユニークな靴の返礼品を考えています。大正10年から続くこの企業は、地域のものづくり文化を支え、人々に愛される製品を提供しています。
プロジェクトの参加者として、神戸松蔭大学の人間科学部ファッション・ハウジングデザイン学科の学生11名が選ばれました。学生たちは、靴のコンセプトやデザインだけでなく、そのプロモーション方法についても考えています。実際、新しくデザインされた靴がどのように多くの人々に認知されるかを計画し、実行することが求められます。
マーケティングからの学び
また、プロジェクトの重要な一環として、株式会社博報堂が学生たちに対してマーケティングに関する講義を行います。これは、学生たちがマーケティングの専門家から実践的な知識を学びながら、具体的な商品開発に役立てる機会です。講義は5回にわたり、学生たちはマーケティングの基礎を理解し、実践するチャンスを得ることができます。
地域連携の強化と将来の展望
このプロジェクトは、大学の共学化を契機に、地域との連携を強化することを目指しています。兵庫県は「若者の輝く兵庫づくり」を掲げ、各ステークホルダーが一丸となります。今後はシャツや鞄など、他のテーマの開発も期待されており、さらなる大学や高校、企業との協力も視野に入れています。
今後のスケジュール
プロジェクトは既に始動し、以下のスケジュールで推進されます。
- - 4月15日:オリエンテーション
- - 5月13日~7月15日:マーケティング講義(全5回)
- - 7月29日:プレゼンテーション
その後、ふるさと納税返礼品の実現に向けた調整が行われます。
期待される成果
この取り組みから期待される成果として、地元企業の活性化、学生たちの地域貢献意識向上、さらにはふるさと納税自体の魅力の向上が挙げられます。学生たちの創造性と地域の特徴が融合することで、兵庫県の新たな顔を創り出すことが期待されています。
若者と地域が手を取り合い、革新的な返礼品開発に挑むこのプロジェクトは、全国的にも注目されることでしょう。