T-SystemsとNTT Comが提供するデータスペースのサンドボックス環境
ドイツテレコムの子会社である
T-Systemsと
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が、日本でデータスペースのテスト環境提供を開始します。この取り組みは、特に自動車産業においてデータの連携を促進するため、さまざまな業界におけるデータ活用をサポートするものです。
1. 協業の背景と目的
このサンドボックスは、非営利団体Eclipse財団が開発したオープンソースのソフトウェアである
Tractus-Xや
Eclipse Dataspace Componentsを基にしています。これらは実際のデータエコシステムで用いられているため、今回の提供は画期的です。特に、日本と欧州のデータスペース間の相互運用性を実現することを目指しています。
T-SystemsはGaia-XやCatena-Xなどのプロジェクトに貢献しており、NTT Comも国際的なデータ連携の基準づくりに取り組んでいます。このパートナーシップによって、データのプライバシーとセキュリティを保証する信頼性の高いインフラが提供され、グローバルなデータ交換を促進することを目指しています。
2. サンドボックスの概要
提供されるサンドボックス環境は、T-Systemsが開発した「
Living Lab」というプロダクトを使用し、データスペースの完璧な運用を試みるための空間です。これは主に日本の大学や企業に向けて開放され、ドイツのクラウドインフラで運用されます。
具体的には、NTT Comが提供する日本のクラウド基盤を通じて多くの企業やエンジニアがこの環境にアクセスできるようになり、企業間でのデータ交換が円滑に行える仕組みを整備します。
3. 今後の展開と期待
T-SystemsとNTT Comは、2024年末を目処に日本とドイツのデータスペース間の相互運用性を確認する共同テストを行う予定です。このテストによって、データ転送やアイデンティティ確認、サービスの発見といった基幹サービスの有効性を検証していきます。また、Gaia-Xとの連携によるデータの信頼性向上も図られる見込みです。
4. まとめ
今回の取り組みは、データエコシステムの深化を支え、より多くの企業がデータを利活用できる機会を提供します。データのプライバシーとセキュリティを保ちながら、信頼性の高いデータインフラの確立を目指すこのプロジェクトには、今後多くの期待が寄せられています。また、2024年10月に東京大学で開催される
Data Spaces Discovery Day Tokyo 2024において、これらの成果が発表されることも予定されています。