静岡県が全職員に生成AIを導入
静岡県は、株式会社エクサウィザーズとそのグループ会社であるExa Enterprise AIと連携し、自治体向け生成AIサービス「exaBase 生成AI for 自治体」を本庁の全職員に導入することを決定しました。この取り組みは、2024年7月からの検証を経て、2024年12月に正式に実施されます。静岡県は、生成AIのRAG(データ連携)機能を活用して、さまざまな行政業務の生産性向上を図ることを目指しています。
RAG機能とは?
RAG(Retrieval Augmented Generation)機能は、固有のデータを生成AIで加工・分析する技術で、これによりより正確な回答を得られる仕組みです。この機能を用いることで、FAQや問い合わせ対応マニュアルの作成、データの関係性分析など、多岐にわたる業務において効率的な作業が実現されることが期待されています。これを受けて静岡県は、職員の問い合わせ対応や資料作成時の時間を大幅に削減できることを実証しました。
検証結果と今後の展開
静岡県は、本庁全職員への導入に先駆けた検証フェーズで、RAG機能を活用した多くの事例を確認しました。例えば、問い合わせに対する文書作成やSNS投稿文案の設計、データ分析など、さまざまな業務での利用可能性が見出されました。今後、全職員への展開が進むことで、さらなる行政業務の効率化が進むでしょう。
支援機能の概要
Exa Enterprise AIが提供する「exaBase 生成AI」は、2023年6月にサービスを開始して以来、約650社で6万人以上のユーザーに利用されています。本システムは、以下の特徴を持っています。
1.
高いセキュリティとコンプライアンス対策 : 国内でのデータ処理が完結し、行政専用ネットワーク「LGWAN」への対応がされています。
2.
生産性向上の独自機能 : 各種資料との連携機能により、高精度な回答を提供。約70のプロンプトテンプレートも標準実装されています。
3.
多様な生成AIモデルの選択 : 業務に応じて、GPT-4oやClaude 3など異なるモデルを選択できる柔軟性があります。
これらの機能により、行政の業務を効率的に支える施策が整えられています。また、エクサウィザーズは職員への基礎講習や生成AIの利用促進支援も実施し、導入後の活用を更に促進します。
エクサウィザーズグループの取り組み
エクサウィザーズは、2016年の設立以来、AIを用いた社会課題の解決を目指し様々な事業を展開してきました。AI・DXのプロジェクトを通じ、企業の業務改革や生産性向上に努めています。2023年10月には生成AIに特化したExa Enterprise AIを設立し、これからも多様な可能性を追求していく予定です。
静岡県での生成AIの導入は、地方自治体が新たな技術を取り入れる先駆的な事例と言えるでしょう。この取り組みが今後どのような成果を生むのか、注目が集まります。