ナイロンの革新
2015-11-04 15:20:01

デュポンのナイロン、80年の歴史が生んだ革新と多様性

ナイロンの歴史は、1935年にデュポン社のカローザス博士によって始まりました。世界初の合成繊維として誕生したナイロンは、ファッション産業を根底から変革し、その影響は今もなお続いています。デュポンの学芸員、デブラ・ヒューズ氏は、「ナイロンは世界を変えた素材である」と語ります。デュポンのナイロンは、数千の製品の中でも特に成功を収めた存在であり、高い強靭性と優れた物性が多くの産業で重宝されています。

デュポンのパフォーマンスポリマー事業部プレジデント、パトリック・E・リンドナー氏は、「ナイロンは誕生から80年を迎えたにも関わらず、若い素材である」と述べます。時代とともに変化する市場のニーズに応じ、多様な用途に適応してきたことがその理由です。ナイロンは1940年代からエンジニアリングポリマーとしての展開を見せ、戦争のため金属の代替素材として特に重要視されました。この時期、多様な製品にナイロンが使用され、軽量化やコスト低減に寄与しました。

商業生産の急増が始まったのは1939年のことです。当時デュポンはデラウェア州シーフォードにナイロンのフル生産プラントを建設し、ナイロンがストッキング市場で大成功を収めるのに貢献しました。ナイロンストッキングは瞬く間に女性たちの間で人気商品となり、その影響力を不動のものとしました。

1950年代には新たなニーズに応じてデュポン™ザイテル®ナイロンが商標登録されます。これにより、自動車エンジンルームにおける新たな用途が開発され、ナイロンが耐熱性や耐化学性を発揮する場面が増えていきました。1992年にはゼネラルモーターズがナイロンを使用したエンジンに採用し、その信頼性の向上を実現しました。

ナイロンはその後も進化し、ザイテル®スーパータフやザイテル®HTNなど新たな製品が誕生しました。これらのナイロンポリマーは、自動車業界を含むわずかに重量を軽減するだけでなく、機能性を広げることにも成功しました。例えば、ザイテル®HTNは薄肉部品の成形を可能にし、さまざまな製品に採用されることとなります。

最新の取り組みとして、デュポンは植物由来のデュポン™ザイテル® RS610ナイロンを導入しました。これは再生可能なポリアミド系ナイロンであり、環境に配慮した素材として注目を集めています。さらには、高温や化学薬品に耐えるザイテル®PLUSが発表されるなど、ナイロンはサステナビリティにも貢献しています。

デュポンはこれまでも、そして今後も、エンジニアリングポリマーとしての役割を果たし続け、さまざまな業界における製品開発を支援しています。80年の歴史を通じ、ナイロンはただの素材ではなく、革新の象徴とも言える存在に成長してきたのです。デュポンのナイロンに対する情熱は、新しい可能性を追求し続ける限り衰えることはありません。カーボンニュートラルな未来を目指し、デュポンのさらなる進化に期待が寄せられています。

会社情報

会社名
デュポン株式会社
住所
東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワー
電話番号
03-5521-8400

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