AYA世代の白血病患者を支える新たな試み
若年層に発症する白血病患者の数は年々増加しており、特にAYA世代(Adolescent and Young Adult)の患者にとって、その影響は深刻です。この世代は進学や就職、恋愛、結婚、子どもを持つといった重要なライフイベントを迎えることが多いため、妊孕性に関するサポートが極めて重要です。
妊孕性温存の必要性
日本において、毎年2万人以上のAYA世代ががんに苦しんでいます。国立がん研究センターによれば、がん治療により妊孕性が損なわれるリスクが高いため、多くの患者が治療前に妊孕性温存を選択することが勧められています。しかし、妊孕性温存療法はほとんどが保険対象外であり、高額な費用が患者の決断を難しくしています。例えば、卵子の採取と保存には、約15万から45万円、さらに年ごとの保存料が5万円程度かかることが一般的です。これらの費用が重くのしかかり、多くの患者が選択肢を諦めてしまうことがあるのです。
全国骨髄バンク推進連絡協議会の取り組み
東京都に本部を置く認定NPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」は、2013年から7年以上にわたり援助を続けてきました。この団体は、妊孕性温存療法を行うAYA世代の白血病患者に対して、実際に経済的な支援を行うことで、希望を届けてきました。これまでに、累計86人に対し約800万円を支援してきた実績があります。しかし、現在は資金の不足が課題となっており、特に卵子保存を行う「こうのとりマリーン基金」は苦境に立たされています。
クラウドファンディングプロジェクトの立ち上げ
このような状況を踏まえ、「いつか、パパやママになりたい。若年がん患者さんの夢を未来へ」という名称で新たにクラウドファンディングが開始されました。このプロジェクトは、クラウドファンディングプラットフォーム「Readyfor」を通じて、多くの人々から寄付を募ることを目的としています。
- - 目標金額: 1,000万円
- - 実行者: 大谷貴子(全国骨髄バンク推進連絡協議会 顧問)
- - 公開期間: 2019年4月4日〜6月3日
- - 資金使途: 妊孕性温存治療や骨髄移植、投薬治療にかかる経済的支援
未来を見据えた支援の輪
AYA世代の白血病患者が、自らのライフプランを諦めないための支援を強化し、彼らが妊孕性を温存する選択権を持てることを目指しています。お金の心配がなく、安心して治療を受けられる環境を整えることは、社会全体の責任でもあるのです。ぜひ、各位のご理解とご支援をお願い申し上げます。
詳細やご寄付は、
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