森永乳業が新たな機能性食品を発表
森永乳業が、60年以上にわたり研究を続けてきた乳タンパク質の一種、ラクトフェリンを利用した新しい機能性表示食品の届出を消費者庁に受理されました。これは、日本初となるラクトフェリンを機能性関与成分とした「免疫機能の維持」に関する食品で、届出日が2025年2月26日ということです。届出番号はJ1218として記録されています。
この新しい機能性表示食品には、ラクトフェリンが200mg含まれています。ラクトフェリンは、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の働きを助けることで、健康な人々の免疫機能維持に寄与することが研究で確認されています。免疫の重要性がますます注目されている中、この食品は多くの人々にとって役立つ可能性があります。
ラクトフェリンとは?
ラクトフェリンは、牛乳から発見されたタンパク質の一種で、特徴的な薄いピンク色を持つのがそのポイントです。この色は、鉄と結合する特性に起因しており、ヒトにおいては、出産直後の母乳に特に多く含まれています。また、涙液や鼻汁、唾液など、身体の粘膜部分を覆う外分泌液にも含まれ、様々な細胞でラクトフェリン受容体が発現しています。
森永乳業の取り組み
森永乳業は、育児用ミルクの研究開発を進める中で、ラクトフェリンの重要性に気づき、60年以上もの間、その研究と応用を続けてきました。ラクトフェリンは、一般的には熱に弱く、その抽出が難しいとされていましたが、森永乳業では熱に強い高純度なラクトフェリンを抽出する技術を開発し、1986年にはラクトフェリン入りの育児用ミルクを世界で初めて市場に出しました。
この技術革新によって、ラクトフェリンを利用した様々な食品が開発され、今では世界中の企業がこの成分を取り入れるようになっています。また、世界的にラクトフェリンに関する研究も進められており、森永乳業は企業として最も多くのラクトフェリン関連の研究論文を発表している実績もあります。
将来的な展望
今後、森永乳業はこの新しい機能性表示食品の他にも、ラクトフェリンを活用した商品開発や素材供給を積極的に進める方針です。また、空気の乾燥による一時的なのどの乾燥感を軽減する効果を持つラクトフェリンに関する機能性表示食品の届出も行っており、こちらは2024年5月10日に受理されています。これにより、ラクトフェリンの健康への価値をさらに高めていくことが期待されています。
まとめ
森永乳業の新たな挑戦は、ラクトフェリンが持つポテンシャルを広げる絶好の機会です。免疫の維持に役立つという科学的根拠のある食品の登場により、消費者はさらなる健康意識を持つきっかけとなるでしょう。今後の展開が楽しみです。