スリランカの教育環境に新たな風が吹く
スリランカの紅茶プランテーション地域で日本式の算数ICT教材「Surala Math」が広がっています。このプロジェクトは、株式会社すららネットが現地NGOと連携して行っており、教育格差の解消を目指しています。
「Surala Math」の導入拡大
すららネットは、AI技術を用いたアダプティブな対話式ICT教材を開発・提供している企業で、これまで多くの国で教育支援に取り組んできました。特にスリランカでは、2024年8月に大手企業ヘイリーズ傘下のタラワカレで「Surala Math」を導入しました。この教材は、初等教育の質向上を目指し、子どもたちがより良い教育を受ける機会を提供しています。実績として、すでに4つの拠点での本格的な導入が始まりました。
教育格差の背景
スリランカは地理的な特性や経済的な問題から教育リソースへのアクセスが制限されています。特に茶園で働く家庭は言語や文化の違いから苦境に立たされ、教育格差が生じています。これに対し、労働者の生活環境を改善するための支援が求められています。
地域に根ざした支援体制
すららネットは、「Surala Math」だけでなく、指導者研修や運用支援、学習モニタリングまでを含む包括的な支援を行っています。地域のNGOであるリーズと協力し、持続可能な学習環境を築く取り組みを進めています。リーズはDVや貧困家庭にいる子どもたちへの教育や心理的サポートを行なっており、その信頼関係を基に教材導入が円滑に進んでいます。
学習成果と今後の展望
導入された「Surala Math」は、子どもたちが自分のペースで学習できる環境を提供しています。この教材により、学習成績の向上が見られ、保護者からもポジティブなフィードバックが寄せられています。リーズの担当者は、「質の高い教育を全ての子どもに提供することを目指しています」と語り、新たなセンターの開設を決定しました。
また、新たに開設されるセンターでは、数学以外にもデジタルリテラシーや自己表現力の育成にも力を入れます。これにより、地域社会全体の教育の質が向上し、次世代の子どもたちの未来を切り拓くことを期待しています。
持続可能な学習環境の構築へ
すららネットは、教育格差や学力不均衡といった問題に常に目を向けており、日本のリーダブルなICT教材を現地の実情に応じて普及させることで、持続可能な学習環境を築き上げることを目指しています。スリランカでの取り組みは、アジア地域全体に広がる教育改革の一環であり、より多くの子どもたちに貢献する意義深いプロジェクトです。
すららネットの進化
すららネットは2014年にJICAの支援でスリランカに進出し、現地の環境に合わせて「Surala JUKU」などを開発。その結果、累計15,000を超える子どもたちに学びの機会を提供し続けています。今後も教育の質向上に貢献し、持続可能な学びの環境づくりに寄与していくでしょう。