新たな文学の味わい、坂本葵の『その本はまだルリユールされていない』
本好きには見逃せない、坂本葵氏の新刊『その本はまだルリユールされていない』が、全国の書店員たちの強い推奨を受けて、雑誌ダ・ヴィンチの「今月の絶対はずさない!プラチナ本」に選ばれました。この小説は、発売からわずか2ヶ月足らずでなんと三刷が決定。まさに注目の作品となっています。
「ルリユール」とは?
著書のタイトルに含まれる「ルリユール」は、フランス語で「(糸で)綴じる」という意味を持ち、手製本の作業を指します。この言葉が示す通り、本作では本と人との結びつきが主題となり、主人公まふみの物語が展開されます。
物語の舞台
物語は、司法書士を目指しながらも夢を諦めたまふみが、母校の小学校に非正規職員の図書館司書として赴任するところから始まります。彼女は実家近くのアパート「リーブル荘」に引っ越すと、そこには世間的に名高い製本家の綺堂瀧子親方とその天才孫である由良子が暮らしています。このリーブル荘が物語の中心となり、製本の世界を通して彼女が学び成長する様子が描かれています。
登場人物との出会い
まふみは自らが図書館司書として、多くの子どもたちが抱える悩みに直面しますが、同時に親方と由良子との出会いを通じて、本には人間の物語があり、その力によって心が癒されることを理解していきます。この一連のプロセスが、読者に感動を与えることでしょう。
書店員の評価
全国の書店員からは、次々と絶賛の声が上がっています。ある書店員は「本が結ぶ人と人の関係を思い出させてくれる」と語り、また別の声では「言葉の信頼や生きることの尊さが凝縮されている」との意見もあります。その中で「紙の本への愛」が詰まった作品であることが共通して称賛されています。
束の間の心の救い
この小説は、小さな事件が描かれながらも、誰も置き去りにせず、全ての登場人物が成長していく物語です。人と人が繋がり、心の優しさが感じられる本作は、まさに読書の喜びを再確認させてくれることでしょう。
著者について
坂本葵は1983年生まれで、文学部を卒業後、大学院で研究を続けながら執筆活動を行っています。『吉祥寺の百日恋』で作家デビューし、今作が二作目の文芸作品になります。その才能が本書を通しても光り輝いています。
書名 & 出版情報
- - 書名: その本はまだルリユールされていない
- - 著者名: 坂本葵
- - 発売日: 2025年3月24日
- - 仕様: 四六判/上製/240頁
- - 定価: 1,870円(10%税込)
- - ISBN: 978-4-582-83982-1
- - 出版社: 平凡社
この春の新刊として、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。