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月面での水資源開発に向けた戦略的パートナーシップ

栗田工業株式会社（クリタ）は、月面での水資源開発に取り組む日本初の宇宙スタートアップ企業、株式会社ispaceとの間で、戦略的パートナーシップに合意しました。この合意により、両社は月面での水資源開発に向けた具体的な戦略を共同で立案・実施することになります。

水は宇宙での人類活動にとって欠かせない要素であり、特に月面ではレゴリスと呼ばれる土壌に水分が含まれている可能性が指摘されています。クリタは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）と共に、月面で水を精製し、持続的な宇宙活動を支えるプラントの実現に向けた研究を進めています。

月面資源開発の背景

クリタの取り組みの一環として、月面推薬生成プラントを実現するための技術開発が行われています。また、ispaceは「HAKUTO-R」と呼ばれる民間月面探査プログラムを展開しており、両社の協力関係が深まることで、実用化が進むことが期待されています。

本パートナーシップの発表を受け、クリタは月面水処理実証に向けた基本合意書を今年3月に締結し、10月にはispaceの第三者割当増資に約20億円を出資しました。これにより、両社は水資源の確保と供給インフラの構築に関するビジネスモデルを共同で策定することになります。

協業の具体的な内容

1. 水資源インフラの構築
クリタとispaceは月面での水資源の確保に向けた事業戦略を共同で進めることに合意しました。これには、必要な装置の特定や実証方針の策定も含まれています。

2. 技術実証の評価
クリタは月面水利用技術に必要なペイロード（貨物）を開発し、それに対する技術実証が行われる予定です。ispaceはこの実証が事業として成功するかどうかを評価します。

3. 共同計画の実施
両社は将来的に予定されている月ミッションにおいて、クリタのペイロードによる技術実証を共同で計画し、実施する考えです。ispaceは、ペイロード輸送や月面データの取得支援を通じて協力します。

未来への展望

クリタグループは、ispaceをはじめとする官民連携を通じ、宇宙における水の回収・精製技術を開発し、持続可能な水インフラを確立していく方針です。また、宇宙での成果を地上の社会的課題解決にも活用し、持続可能な社会の実現に向けた貢献を果たしていく意向です。

今後の月面での水資源開発において、このパートナーシップが新しい価値創造の一助となることが期待されています。

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